
90歳を迎えた今も現役医師として週4日高齢者施設で働いている折茂肇医師。その若さと健康を保つための秘訣は何か?折茂医師が考える10の秘訣のうち、今回は1つ目の「手抜きをしないでオシャレをする」について語ってもらう。
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折茂医師は、東京大学医学部老年病学教室の元教授で、日本老年医学会理事長を務めていた老年医学の第一人者。自立した高齢者として日々を生き生きと過ごすための一助になればと、自身の経験を交えながら快く老いる方法を紹介した著書『90歳現役医師が実践する ほったらかし快老術』(朝日新書)を発刊した。同書から一部抜粋してお届けする(第5回)。
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私なりの「若さと健康を保つための10の秘訣」を挙げてみたいと思う。100歳まで、というと大げさかもしれないが、超高齢者にとってはいずれも有益な内容だと考えている。
若さと健康を保つための10の秘訣
① 手抜きしないでオシャレをする
② 落ち目同士で群れず、異文化と付き合う
③ 適当に仕事をする
④ エスカレーターやエレベーターは間違っても使わない
⑤ 落ち目になったことを自覚する余裕を持つ
⑥ 他人の話を聞き、広い視野で物事を考える
⑦ 上手に気分転換して嫌なことはすぐ忘れる
⑧ いくつになっても好奇心旺盛でいる
⑨ インプットだけでなくアウトプットもする
⑩ 適度な運動をして自立した高齢者でいる
① 手抜きしないでオシャレをする
オシャレとは老化予防の最大の秘訣であると考えている。そもそも、オシャレとは何か。『広辞苑』によると「みなりや化粧を気のきいたものにしようとつとめること。また、そうする人」と定義されている。しかし、私自身が考えるオシャレとは、その人の人柄や生活環境、生き方、人生観などが複合的に反映された、極めて格調高い概念である。オシャレは個性の一面であり、その人を最も魅力的に見せる手段の一つでもあるだろう。
とくに重要なことは、オシャレというものの背景には、「心のゆとり」や「遊び心」、そして、その基盤となる「ある程度の経済的な余裕」が必要であることといえるのではないだろうか。