身長188センチの堂々たる体躯から相手を弾き飛ばす強靭なフィジカルに抜群のスピードは「フェノーメノ」と言って過言ではない。荒削りな部分は残るが、22歳という年齢も魅力で、今後のさらなる進化も期待できる逸材だ。鳥栖がJ2降格となった中でFC東京の獲得オファー報道があったが、その他にも“ハマる”チームは多くある。争奪戦は加熱するはずだ。

 名古屋グランパスのデンマーク人FWキャスパー・ユンカーの去就も気になる。1994年3月5日生まれの30歳。2021年4月に浦和レッズに加入してデビューから即ゴールを量産。2023年に期限付き移籍で名古屋に加入すると、リーグ戦33試合出場で16ゴールを挙げた。裏に抜けるスピードと優れたシュートセンス、ゴール前での嗅覚を持った美しいストライカーだが、完全移籍に移行した今季は再び負傷に苦しんでリーグ戦19試合出場で4得点に終わった。能力の高さに疑いの余地はないが、年俸に相反する稼働率の低さをどう見るか。名古屋残留か、それとも他クラブへ移籍するか。コンディションさえ万全ならばチームの順位を浮上させることができる男だ。

 Jリーグ初のイラン人プレイヤーとしても話題となったアビスパ福岡のFWシャハブ・ザヘディも去就が不透明だ。1995年8月18日生まれの29歳。今年3月にFIFAの特別措置によりウクライナのクラブから福岡に加入すると、スタメンデビューした3月30日の浦和レッズ戦から7試合で6得点と大暴れ。5月3日のG大阪戦で決めた70m超のロングシュート弾は驚愕だった。6月以降、負傷で出場機会が減少し、戦術的理由でベンチスタートが続いた中で得点ペースが落ちたが、身長187センチの長身と懐の深いプレー、そしてシュート力は魅力タップリ。条件さえ整えば今季の9ゴール以上の活躍を期待できる。福岡との現契約は2024年12月31日まで。監督交代がどう影響するか。今後も是非ともJリーグでプレーして欲しい選手だ。

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