野手でもう1人名前を挙げたいのが平沢大河(ロッテ西武)だ。2015年のドラフト1位で入団し、3年目の2018年には112試合に出場して62安打、5本塁打の成績を残している。しかしその後は成績を残せずに低迷。今年は一度も一軍に昇格することができなかった。二軍での成績も打率.216、2本塁打と寂しい成績に終わっているが、出塁率は4割近い数字をマークしており、時折見せる豪快なホームランはさすが元ドラフト1位という打球の勢いがある。

 西武は貧打に苦しんでいるだけに、何とか打撃でアピールして一軍定着を狙いたい。過去2年を見ても現役ドラフトでの移籍によって成績を伸ばした選手も多く、指名されたことによって注目度が集まるのもプラスの面はあるはずだ。1人でも多くの選手がこの移籍を機に成績を伸ばしてくれることを期待したい。(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。
 

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