今季はシーズン中に西武・松井稼頭央監督が休養、シーズン後に中日・立浪和義監督が辞任。どちらもチームの生え抜きスター監督として、実績次第では長期政権の可能性もあったが、松井監督は実質1年2カ月足らず、立浪監督も3年で退任となった。そして、過去にも長期政権を期待されながら、短命に終わった監督が何人か存在した。
【写真】たった2年で終わりを告げた…短命に終わった監督といえばこのレジェンド
就任1年目に日本一になりながら、その2年後に辞任となったのが、ロッテ・西村徳文監督だ。
現役時代はロッテひと筋16年。通算1298安打、盗塁王4度を含む通算363盗塁を記録した“走る将軍”は2010年、八木沢荘六以来16年ぶりの生え抜き監督に就任した。
1年目は「和」をスローガンに、シーズン前は最下位も予想されたチームをよくまとめ、6月初めまで首位をキープするなど大健闘。3位でシーズンを終えたものの、クライマックスシリーズ(CS)で2位・西武、1位・ソフトバンクを連破して日本シリーズに駒を進めると、中日を4勝2敗1分で下し、シーズン3位のチームが日本一になる“史上最大の下剋上”を実現した。
だが、翌11年は「飛ばない」統一球導入によるチーム本塁打数の激減に加え、主砲・金泰均が腰痛治療を理由に6月に帰国するなど、打線が機能せず、5月以降貯金月なしで前年の日本一から一気に最下位転落。「和のもとともに闘おう!」と雪辱を期した12年も、前半戦を首位で折り返しながら、7月以降4カ月連続で負け越し、2年連続Bクラスの5位に沈む。
そして、10月8日、球団側は「監督を交代して一度立て直して臨んだほうがいい」と西村監督から申し出があったことを理由に退団を発表した。だが、本人は「契約を1年残して辞めるのは悔しいが、(球団の)上が決めたことだから仕方ない」と無念の思いを吐露している。
その後、19年にオリックス監督に就任したが、こちらも2年目の8月に“途中解任”と短命に終わっている。
チームの生え抜きスターで、長期政権も期待されたのに、わずか3年で辞任したのが、巨人・高橋由伸監督だ。