たとえば、先ほどまで大谷翔平の話題で「妻の真美子さん、かわいいね」と話していたとしたら、「女性のかわいさって、どういうところに感じる?」というふうにつなげていく。
「そこで新しいテーマを探そうとして失敗すると、話が途切れてしまう。あるいは直前の話じゃなくても、『前に言ってた変わった人の話、私も似たような人見たんだけど』など、相手が少し前に言っていたことを覚えていて、またそこに触れて話を広げていくのもいいと思います」(永田さん)
それでも怖いという人は話題を10個くらい用意しておくと心に余裕が出るという。ただ「次、どんな話をしようかな」と考える「間」があるからこそ、二人の関係が進むのだとも、永田さんは話す。
「女性から、『もう少し男性と(物理的に)距離を近づけたいんだけど、そんな雰囲気にまったくならないまま、3カ月たってしまった』と相談を受けたことがあります。理由は、彼女がしゃべり過ぎていたことでした。せっかくの沈黙を会話で埋めてしまい、『そういう空気』につながっていなかったんです」
そもそも、恋愛や婚活の先に結婚生活があるとすれば、「その生活って、『間』ばっかりですよ」と永田さんは言う。
「そんな生活こそが幸せであり、必ずしも『話すこと』ばかりが主ではない。間を怖がらない。間を埋めようとしない。そこが恋愛や婚活の場面では大切になることもあると思います」
(編集部・小長光哲郎)
※AERA 2024年12月2日号より抜粋