「家電製品のような高額商品が被害に遭ってしまい、『もう置き配は使わない』と、悔やむ人もいます」(同)
商品の配送の初期設定が「置き配」になっている通販も増えてきた。それに気づかず、置き配された荷物を盗まれてしまったケースもある。
「指定しなければ、対面の配達ではなく、『置き配』になってしまう配送システムに怒りをぶつける人もいます」(同)
宅配ドライバーの多くが不安
宅配ドライバーたちも置き配に不安を感じている。
宅配ボックス大手「ナスタ」(東京都)は昨年11月、宅配ドライバー400人に置き配についてのアンケートを実施した。
荷物を置く場所として断トツで多く利用していたのは「玄関先」で66.5%。「宅配ボックス」は28.2%、「郵便受け」は1.8%だった(複数回答)。
荷受人から「玄関先」を指定されて荷物を置いた後、「荷物がない」というクレームを受けた経験のあるドライバーは18.3%。玄関先に荷物を置くことを「不安だと思う」という回答は75.3%に達した。
盗難リスクの軽減策は
では、「置き配」荷物の盗難を防ぐにはどうすればいいのか。
置き配された荷物を盗難から防ぐには、配達完了メールを受け取ったら、なるべく時間をおかずに荷物を回収することだとセコムの濱田宏彰研究員はいう。
宅配業者が自宅を訪れた際、手が離せなかったため、インターホンで置き配を依頼。数時間後に確認したら荷物がなくなっていたというケースもある。
ヤマト運輸は置き配の日時指定が可能なサービスを「クロネコメンバーズ」「EAZY」で展開している。
「お客さまの在宅・帰宅時間に合わせてご指定いただくことで、少しでもお荷物の盗難リスクを軽減できると考えております」(ヤマト運輸)
佐川急便も「スマートクラブ」に登録すれば同様のサービスを受けられる。
記者も置き配のお世話になっているが、さいわい、盗難に遭ったことはない。近隣の人たちも同様のようだ。置き配は「善意」に支えられていると実感する。破綻せずに続いてほしい。
(AERA dot.編集部・米倉昭仁)