そんな「あまちゃん」を選んだ方からは、以下のようなコメントも寄せられました。
 

「のんが素人ぽくて、良かった! 東日本大震災の復興を三陸鉄道をとおして描いていたのが良かった!」(60代・男性)

「『あまちゃん』は出演者が誰一人死ななかった。朝から人が死ぬのは見たくない。史実だったとしても、やはり明るく楽しく朝を迎えたい」(60代・男性)

「宮藤官九郎の脚本が面白かった」(60代・男性)

「主演とその他のキャストとのテンポの良いかけあいが最高。声を出して笑ってしまう」(50代・女性)

「オープニングから画像と音楽に引き込まれた。俳優たちも楽しそうに演じていた。何よりあの震災後それを表現したドラマだった」(70代以上・女)
 

ほかの作品にも視聴者の「思い入れ」が

 また、アンケートではほかの作品にもそれぞれ、「好きな理由」などについてコメントをいただきました。いくつか紹介します。
 

「録画して、家族で夕飯の時間に観ていた。家族で楽しんで観た」(ひよっこ)

「有村架純さん演じるみね子が茨城県の実家を出て上京、就職するも紆余曲折ありながら、父が出会ったレストランの家族や女子寮の仲間と優しいふれ合いの中で成長していく姿に見守りながら観ていました」(ひよっこ)

「料理は科学ですのセリフで料理を始める気になった」(ごちそうさん)

「いろいろな料理にまつわるエピソードで料理の奥深さを知った。何より毎日美味しそうだった。特に黄身がとろけるスコッチエッグの件は料理は科学だというアドバイスと完成した美味しそうなスコッチエッグは今でも覚えている」(ごちそうさん)

「女性は家事育児をやれば良い、という時代に自分のやりたい仕事をするために家族やまわりの人の理解を得ることに努力した姿勢に心を動かされました」(あさが来た)

「故郷を離れる主人公を母が見送るシーン、出産時とびらの外で夫が泣きながら落語を語るシーンなど、ほぼ毎週泣けるシーンがあり、朝から感動して大変でした」(ちりとてちん)

「モネと菅波先生が大切に距離を縮める姿。これといった決定的な告白だったり、大恋愛みたいなシーンはないけれど、少しずつ大切に大切にお互いを思い合う姿が理想的だった」(おかえりモネ)

「気仙沼と登米市の風景や地元の方々のファンになり、ドラマ終了ごも何度も訪問させていただいています」(おかえりモネ)

「深津絵理さんが演じられたるいがラジオで母とわかったときの表情と、るいが歌っているシーンが心に刺さり、録画していたのですがその場面は何度も観ました。あれは深津さんだからこその場面だったと思います」(カムカムエヴリバディ)

「いくつもあります。主役の花子だけではなくて、家族や友人たち等、主な登場人物それぞれの人生も丁寧に描かれていた深みのある作品だったと思います。特にという一番は決めきれませんが、吉田鋼太郎さんの、蓮子に対するなんとも不器用な愛のカタチの表現は、その切なさが私の中ではずっとあとを引いていました」(花子とアン)

「何度も何度も二人に苦難が訪れ助け合いながら大地に夢を叶え得て行く人生が心を打ちました」(マッサン)

「らんまんの園ちゃんが亡くなってしまったシーン。私も子どもがいるので感情移入した。悲しいシーンだけど、最終回に園ちゃんが植物園の園ちゃんでいつまでも万太郎とすえちゃんのなかでずっと生き続けていることに感動した」らんまん

「綾野剛が好きと言えない状況で主人公の、小原糸子の手を掴むシーンが切なくて忘れられない。以後、綾野剛が大好きになった」(カーネーション)

「花岡悟さんが、岩山から落ちるシーンは 朝ドラらしからぬシーンで印象的でした! 虎子さんが初の女性裁判官になるまでの苦悩など 女性の社会進出の大変さがよくわかりよかったです!」(虎に翼)
 

 では、視聴者の「イチオシ」になる作品とは、どんなものなのでしょうか。

「好きな作品」を選んだ理由を複数回答で聞いてみたところ、最も多かった回答が「主人公の職業やストーリー設定に興味があったから」が60%。「主演が好きな俳優だった」(31.2%)、「主演以外に好きな俳優が出演していた」(18.4%)を、それぞれ大きく上回りました。

 ドラマの始まる前、始まったころは、だれが出演しているかが注目されやすいですが、やはり描かれる物語の内容が、視聴者の心をつかみ、記憶に残る作品になるかを左右することは間違いなさそうです。
 

見る「習慣」はなくても

 一方で今回のアンケートでは、朝ドラを「見る習慣がない」という方も、3分の1ほどいらっしゃいました。

 このうち、「今までまったく見たことがない」という方は16.1%で、「以前は見ていたが、見なくなった」という回答は29.7%でした。

 そして、朝ドラを見る「習慣」はないものの、「作品によっては見ることがある」という方が、半分以上の54.2%という回答でした。

 やはり、放送直後の回で視聴者の心をつかむことが重要でしょうか。「初回は見るが気に入らなかったらもう見ない」「始まった時にその後見るかどうかの判断をする」という声も寄せらました。
 

 現在放送中の朝ドラ「おむすび」は、俳優の橋本環奈さん演じる主人公が「管理栄養士」をめざすという成長物語です。これからどんな展開があり、視聴者からはどのような「評価」を受ける作品になるのでしょうか。

(AERA dot.編集部)

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