性交痛が絡むケースも
近年「性交痛で困難を抱えている場合は潤滑剤を」という認識がSNSなどを通して広まってきているが、「痛いから潤滑剤」は本来の目的ではないと指摘するのは「うるおいヘルスケア」代表の小林ひろみさん。性交痛に特化したサイト「ふあんふりー」の編集長も務める。
「WHO(世界保健機関)が発行している最新版のガイドライン(※)では、潤滑剤を推奨する理由について性感染症、HIV感染、性交痛を防ぐ目的にもしっかりと触れているものの、真っ先に説明で使われるのは『快適さ』です。これはWHOの『性の健康の定義』にも関係していると考えています。痛いから潤滑剤を使う、というだけではなく、セックスとは快適で至福のひとときであるということをきちんと認識すべきでしょう」
性欲ギャップを考える上で、この小林さんの言葉も念頭に置いておきたい。(ライター・羽根田真智)
※「WHO recommendations on self-care interventions: availability of lubricants during sexual activity」
※AERA 2024年11月25日号より抜粋