さまざまな宮中行事や祭祀を、世代を超えて受け継いできた皇室。伝統を守り続けてきた皇室の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2023年12月29日に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
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宮邸の改修問題をはじめ、世間の関心が集まる秋篠宮家だが、皇室における公務の重要な担い手になっているのが、秋篠宮ご夫妻と次女佳子さまだ。特に若い世代である佳子さまは、「お出まし」の機会が昨年より倍増。皇室の行事や大型公務が続く秋以降、その日程がほぼ毎日、公務や祭祀など予定でびっしりと埋め尽くされていた。その「存在感」はさらに来年以降も高まっていきそうだ。
東京・赤坂御用地から皇居へ続く道を、黒塗りの車が走っている。その後部座席で、イヤリングをつけるような仕草をしているのは、佳子さまだった。
12月25日、大正天皇の命日に行われる「大正天皇例祭の儀」に参列するため、皇居に向かうところを撮影したと見られる動画が、ネット上に投稿されていた。
佳子さまのファンによる投稿と思われるが、多忙のために車のなかで身支度を整える、そんな佳子さまの日常の一端をうかがわせるものだった。
特に秋以降、佳子さまの日程はほぼ連日、外出を伴う公務から宮邸で「ご接見」や「ご会釈」、そして宮中祭祀などで埋まっている。
新型コロナが5類に移行した今年、佳子さまは祭祀で皇族代表を務めることもあり、「覚悟」を決めて公務にまい進する気迫が伝わってくる。
そんな佳子さまの今年の公務のハイライトは11月、外交関係樹立150周年の節目に合わせた南米ペルーの訪問だろう。
受け答えの一部をメディアに切り取られて批判されたこともあったが、事前に深く学び、誠実に相手と向き合って大役を果たした。
首都リマにある支援学校では、聴覚に障害がある子どもたちと、ペルーで使われる手話で交流した。これも1か月半前に送られてきたビデオで練習を重ねた努力の成果だった。
ペルーの日系人の歴史についても熱心に勉強し、9月に新型コロナに感染して訪問先の鳥取県内で療養していたときも、時間を惜しんで資料を読み込んでいたという。