ミュージシャン 小宮山雄飛さんの3店

 ミュージシャンのかたわら、グルメ雑誌やTV番組などで活躍し、自らのレシピ本も出版している小宮山雄飛さん。お気入りは数多くあるというが、今回はその中から、厳選した店を特別に紹介してくれた。

【初音鮨/渋谷区】

すじこの細巻き。すじこの塩気と風味の良い海苔との相性が抜群だ。店に入ると美しく磨かれたカウンターが出迎えてくれる

 1978年の創業以来、地元の人たちに愛されている町鮨「初音鮨」。ヒノキのカウンターには店主自ら豊洲で目利きした良質なタネが並び、期待が高まる。この日のおすすめは新子(コハダの稚魚)の酢締め。個体の特徴を見極めながら締める時間を調整し、絶妙な味加減に仕上げる。新子は身が小さいため2枚重ねて握るのだが、これはこの時期ならではのスタイルだという。

 小宮山さんが必ず頼むというすじこの細巻きは、塩気が効いていてお酒のつまみにぴったりだ。日本を代表するクリエイティブディレクターの杉山恒太郎さんに「すじこの細巻きをツマミに酒を飲むのがかっこいい大人だ」と教わって以来、必ず頼んでいるという。

 小宮山さんは言う。「週末は昼からこちらで飲むことも多く、家族とも友達とも行ける素敵なお店です」。

【並木藪蕎麦/台東区】

天ざるそば。優しい甘みの海老天はサクサクの食感がいい。2011年に改装したが、内観は昔と変わらない。店構えには老舗の風格が漂う

 浅草・雷門にほど近い場所に佇む「並木藪蕎麦」。大正2年の創業から約1世紀続く、日本を代表する蕎麦の名店のひとつだ。濃いめのつゆでいただく十割蕎麦は創業当時から一切変わらない味で、何代にもわたって多くの常連が通う。

 小宮山さんがこちらでいただくのは、「天ざるそば」。「よくある大きな海老1本ではなく、中くらいのサイズの海老が数本付くのですが、衣とのバランスや揚げ方も見事でおいしいです」と小宮山さん。飾り気のない洗練された店内もまた、老舗の美学を感じさせる空間だ。

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