現状、期待値が高い若手としては投手にケイデン・デイナ、野手にクリスチャン・ムーア二塁手という選手がいるだけで、ここ近年のファーム組織の“日照り”は続いている状況。チームは再建の真っただ中であることは明白だろう。

 補強となればFA選手の獲得、そしてトレードとなるがまだ“勝負の時”ではないことを考えると、FA市場で大物を獲得するのはナンセンス。現実的には実績のある中堅どころを上手く活用し、トレードで有望な若手を一人でも多く加えたいところだ。

 メジャーリーグ公式サイト『MLB.com』もエンゼルスのオフの動きとして、中堅選手のトレードが1つのカギになることを指摘している。同サイトがトレードの駒として挙げているのがテイラー・ウォード外野手(30歳)、ルイス・レンヒフォ内野手(27歳)、先述した先発左腕のアンダーソンの3人。ウォードは今年25本塁打、75打点をマークし、レンヒフォも怪我で離脱もあったが78試合で打率.300、24盗塁を記録するなど、来季優勝を狙うチームからすると魅力的な選手。ウォードはあと2年、レンヒフォとアンダーソンは来シーズンで契約が切れるということを考慮しても、彼らとの交換で投手を中心に他球団のプロスペクトを獲るのがセオリーでもある。

 だが、ここまでのエンゼルスの補強を見る限り“疑問”も多い。

 エンゼルスは今オフ既に動きは見せているが、獲得したのは通算191本塁打のホルヘ・ソレア外野手(32歳)、通算97勝のカイル・ヘンドリックス(34歳)、スコット・キンガリー内野手(30歳)、ライアン・ノダ一塁手(28歳)の4選手だ。

 ソレア、ヘンドリックスは実績こそあるものの、年齢的にはこれから下り坂の選手。キンガリーはプロスペクトとして期待されてはいたが、伸び悩んで現在は中堅の年齢となっている。ノダもアスレチックスに在籍した2023年にはまずまずの成績を残したが、今季はメジャーで36試合の試合にとどまった選手だ。いずれのプレイヤーも戦力になる可能性は秘めているが、未来を見据えたものには見えない。

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“勝負”のタイミングは?