囲み取材に応じるアスレチックス時代の松井秀喜氏(AP/アフロ)

 この元巨人担当記者は、大谷のスタイルも評価する。

「大谷のようなスタンスも素晴らしいと思います。メディアと一定の距離を取りつつ、強い信頼関係で結ばれている。お互いがプロフェッショナルな仕事をしていることを尊重している空気を感じます。松井さんと大谷に共通していることは、プレーだけでなく立ち振る舞いも超一流であること。愛される選手には理由がありますよ」

感情出したことで好感度アップ?

 今回の一件で興味深いのは、視聴者の反応だ。取材拒否で険しい表情を見せる映像がネットで広まったが、大谷に批判的な反応は少ない。日本ハムに入団以来応援しているという30代の女性ファンは「大谷選手も嫌なことがあったら感情に出す。人間らしくていいと思いますよ。すごい活躍をして世界を代表するスターになりましたけど、神様じゃないですから。好感度がさらに上がりました」と話す。

 ドジャースは、ワールドシリーズ第2戦で大谷が盗塁の際に痛めた左肩のけがは、当初発表された亜脱臼ではなく脱臼で、大谷が関節唇損傷の手術を行い、無事に成功したことを11月6日に発表した。来季に解禁予定の「投打の二刀流」への影響が気になるところだが、焦る必要はないだろう。

 来季もメディアに注目されるシーズンとなる。大谷には、つかの間の休息をゆっくり過ごしてほしい。

(今川秀悟)

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