大人数の立候補に備えて急きょ増設された選挙掲示場だが、無駄になった

 NHK党は7月の東京都知事選で24人を擁立し、選挙ポスターの枠を、党に寄付した人に事実上販売。このため裸の女性の写真など、選挙に無関係なポスターが大量に張られ、物議を醸した。

 兵庫県知事選でも立花氏が記者会見で、
「知事選に10人、候補者を出したい」
 と話したことで、県選管は掲示板を増設することになった。

 結局、立候補したのは立花氏だけ。しかも、自らの当選ではなく、「斎藤氏をサポートしたい」と選挙運動を繰り広げる。妙な選挙戦だが、その影響力はばかにならない。

 立花氏のYouTube登録者数は60万人超。500万回視聴を超える動画もあり、その発信力はすさまじいものがある。斎藤氏と同じ場所で出陣の第一声を挙げることで、斎藤氏の演説に多くの人が集まった可能性がある。

 斎藤氏の選挙戦2日目を取材すると、初日と異なり、あまり聴衆がいなかった。出陣式の熱狂は何だったのか。ネットには斎藤氏が演説会の動員にアルバイトを使っているのではないかと疑問視するSNSへの書き込みがあったが、初日は動員をしたのか、それとも立花氏目当てだったのか。

動員が難しい淡路島でも大勢の聴衆

 斎藤氏の人気を確かめるため、選挙戦最初の日曜日である11月3日、淡路島での斎藤氏の演説を聞いた。淡路島は人口12万ほどで、離島でもあり、アルバイトなどを動員するのは難しいと思われたためだ。

 洲本市のショッピングモール前での斎藤氏の演説には、日曜日でイベントが開催されていたこともあってか、たちまち人が集まってきた。200人ほどはいそうな感じだ。中には洲本市の市議会議長の姿もあった。

 次に斎藤氏は「道の駅」近くに場所を移してマイクを持った。聴衆は100人を超えるくらいだが、都市部とは違って車がないと行けない場所で、よくもこれほど集まったと思えた。

 普段、演説で感情をあらわにしない斎藤氏だが、このときは力強い言葉で訴えた。

「鋼のメンタルと言われるが、そんなことではない。知事を失職後、街頭活動をはじめた。どういう反応があるのか、日本中が斎藤は悪者、とんでもないという報道が過熱する中で、立ちました。怖かった、石を投げられ、殴られるのかと怖かった。県議会、メディアなど斎藤元彦をひきずりおろそうとするいろんな力に負けないで頑張ります」

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動員をかけているのかと斎藤氏に直撃した