来ていた人たちに聞くと、多くの人がSNSで演説の情報を得て来たという。
同じ日の夕方、斎藤氏は神戸市北部に移動し、神戸市営地下鉄・名谷駅前に立っていた。斎藤氏がマイクを握ると、商業施設の2階通路まで人で埋まり、大きな歓声がバスターミナルにこだましていた。
ここでは出陣式でも見た人物が数人、確認できた。斎藤氏の訴えに呼応して、絶妙のタイミングで、
「そうだ」
と声をあげるシーンもあった。
動員なのか、熱烈なファンなのか。話を聞こうと思ったが、人込みの中で見失ってしまった。
斎藤氏はSNSを駆使した選挙戦を展開している。LINEアカウントを開設して、写真提供や投稿を呼び掛けている。斎藤氏陣営のボランティアは首からQRコードがついた紙を下げて、LINEへの登録を呼び掛けていた。斎藤氏の演説にも、
「ハッシュタグ、斎藤知事頑張れ、斎藤知事負けるなというトレンドが続いている」
というフレーズがあった。
斎藤氏は「動員はまったくない」
都知事選では、元広島県安芸高田市長の石丸伸二氏がSNS戦略で支援を広げたが、その戦略とそっくり。聴衆の熱気や雰囲気も似ている。
斎藤氏を直撃して聞くと、こう話した。
「たくさんのご支援はとても嬉しい。(聴衆の)アルバイト動員とか、まったくない。(N党の)立花氏とは面識がなく、こちらから声のかけようもない。SNSはスタッフがやってくれている。石丸氏を意識? いや、わからないが、支援の輪がSNSで広がっているのは、ありがたいことです」
知事選に立候補しているのは、斎藤氏、立花氏のほか、前参院議員の清水貴之氏、前尼崎市長の稲村和美氏、医師で共産党推薦の大沢芳清氏、レコード会社経営の福本繁幸氏、会社経営の木島洋嗣氏。過去最多の7人の争いとなっている。