巨人の岡本和真
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 4年ぶりのリーグ優勝を飾った巨人だが、CSファイナルステージでDeNAに敗れ、日本シリーズに進出できなかった。

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 敗因は打線に尽きるだろう。ファイナルステージ6試合で計10得点。6試合通して5番打者が無安打では苦しかった。5番には1試合目が大城卓三、2、3試合目は坂本勇人が起用されたが機能せず、3連敗で崖っぷちに追い込まれた。左手首骨折で戦列を離れていたエリエ・ヘルナンデスが急きょ合流し、続く3試合に5番でスタメン起用されたが、計11打数無安打。本来のスイングではなかったが、故障で実戦から遠ざかり、試合勘が失われている影響を考えると、責めるのは酷だろう。

 5番が機能しなければ、4番の岡本和真が徹底マークされる。岡本はCSファイナルステージで18打数4安打、打率.222、1本塁打、2打点。相手バッテリーが警戒し、打てる球がなかなかこない。4つの申告敬遠を含む6四球と、好機の場面ではまともに勝負してもらえなかった。

「リーグ優勝を飾りましたが、シーズンでも462得点はリーグ4位で、打線は決して強力ではなかった。5番が固定できず、4番の岡本和真のマークが厳しくなる状況は貧打に苦しんだ春先と重なりました。シーズン終盤に絶好調だった吉川尚輝が、左脇腹痛で起用できなかったことも大きな痛手でしたね」(巨人を取材するスポーツ紙記者)

 不動の4番は今オフの去就が注目されている。岡本はメジャー挑戦の意向を持っているが、海外FA権の取得には最短でもまだ2年かかる。ポスティング・システムで目指すためには、球団が容認しなければ実現しない。

 今季27本塁打で7年連続30本塁打達成はならなかったが、岡本の存在なくしてV奪回は達成できなかった。シーズン当初は一塁で固定される方針だったが、チーム事情で三塁、左翼も守った。シーズン終盤に阪神と熾烈な優勝争いとなり、141試合目の9月28日の広島戦でリーグ優勝を決めた際は涙を流した。主将として大きな重圧を背負って戦い続け、感情を抑えきれなかったのだろう。リーグ優勝を置き土産にメジャーへ。巨人も岡本の夢を尊重したい思いは持っているが、ポスティング・システムを容認するかは不透明だ。

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ポスティング認められた菅野と岡本の違いとは…