萩生田氏がXにアップしていたラーメン店の「ワカメラーメン」。煮卵のトッピングはなかったが、とてもおいしかった(撮影/上田耕司)

食レポは「あ、使われたな」という感じ

「その日は確かに、萩生田さんが来ましたけれど、そんなに頻繁には来ないですよ。たまたま、選挙前だからウチの店を使っただけでしょう。正直、ウチが(旧)統一教会とくっついているかのように見られるので困るんですよね……でも、一切関係はありませんから。だから(Xを見て)『あっ、使われたな』という感じでした。萩生田さんはお話も上手だし、それにだまされてはいけないですよね。ウチは萩生田さんを支持していないですし、特定の政治家を推してもいません」

 イメージアップを図りたいという萩生田氏の戦略は、必ずしも順風満帆ではないようだ。実際、苦しい選挙戦であることは萩生田陣営も認めるところだ。陣営の選対関係者はこう話す。

「有田さんと接戦と報じられている通り、今回は厳しいですよ。萩生田は27歳から30年以上議員をやっていますが、最初の選挙と同じ気持ちで、ゼロからのスタートです。選挙の区割りも変わったし、自民党の公認もない。全てが初めて尽くしですから、できることは精いっぱいやっています」

 今回は自民党から非公認となったばかりではなく、公明党の推薦も得られなかった。

「公明党は萩生田を応援すると、比例票が減るんじゃないかと心配していると思います。だから、公明党の市議も表立っては、ウチの集会に参加していない。だけど、公明党とはこれまで何十年も一緒にやってきました。つながりのある市議に個別で応援をお願いしています」(同)

 一方、かつて自民党の要職を担ってきた萩生田氏だけに応援弁士は豪華な顔ぶれがそろう。

 16日、萩生田氏の後援会女性部主催の総決起大会が八王子市内で開かれたが、そこに安倍晋三元首相の妻・昭恵さんが応援にかけつけた。講演は非公開だったが、萩生田事務所がXに投稿した動画によると、「みなさんに、ぜひもう一度、萩生田先生に新しい命を吹き込んでいただければと思います。主人は亡くなってしまいましたけれども、萩生田先生はその分ももっともっと活躍していただきたい。主人の分も」などと語っていた。

 前出の選対関係者は「昭恵さんの話を聞いて、みんな涙ぐんでいました。萩生田は安倍元総理の片腕だったから、昭恵さんも来てくれた」と手応えを感じたようだ。

 翌17日には、高市早苗前経済安全保障担当相が応援に入り、JR八王子駅前で萩生田氏と街頭演説を行った。高市氏の背後には防弾パネルが置かれ、ものものしい雰囲気だったが、高市氏はこう持ち上げた。

「萩生田光一という政治家、何をやっても結果を出す。私にとってまぶしい存在であります」

「(私は)3年前から一昨年の8月まで自民党の政調会長を務めました。そのとき、政調会長として見ていた萩生田経済産業大臣はとってもまぶしい存在でした」

 高市氏は「まぶしい存在」と連呼し、演説が終わると萩生田氏の手を両手で握り、深々と頭を下げ続けた。まるで、萩生田氏に恩があるかのような光景だった。

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萩生田氏の支持者から「帰れ、帰れ」