小坂井:私は、「参加しても意味がない」という意見は責任を政治家に転嫁している言い訳だと思うんです。民主主義の政治は、私たちが政治家にしてほしいことがあって、それを実現してくれる人を選ぶ、逆に政治家は国民が求めていることを考えてその実現のために努力する、その相互の関係で成り立つものです。選挙権は権利だけど、民主主義国家の国民が持っている責任でもあることを、もっと教育していく必要があると思います。

--------------------------------------------------------------------------------

 今年の夏からアイルランドに留学している「AERAサポーター高校」高校生記者の山下心暖(こはる)さん=神戸龍谷高校1年=は、時差の関係で座談会には参加できなかったが、留学先から「若者と政治」について意見を寄せてくれた。

 留学先の友人に聞いたところ、アイルランドでは6年間の中等教育(12~18歳)が前期課程・後期課程に分かれていて、前期課程で「政治基礎」を学ぶほか、宗教やビジネスや歴史の授業でも政治の話題に触れるという。また後期課程の3年では政治の授業がなく、政治に興味がある人は、塾に行って習うそうだ。

 山下さんが留学先で15~18歳の10人に尋ねたところ、「政治に興味がある」と答えたのは1人だけで、あとは「興味がない」と回答した。友達とは普段、政治の話をすることはないという。

 アイルランドといえば、2代連続で30代首相が誕生し、今年は同国最年少、37歳のサイモン・ハリス首相が就任。一方、日本の戦後の首相では、2006年に52歳で就任した安倍晋三氏が最年少。30代、40代の首相はまだいない。

「30代で首相になる人が2代続いたことに、私の友だちは何も思っていないということでしたが、私はいいなと思います。私自身、若いこともあって30代首相の政治に親近感がわきます。また、前首相は父親がインド人、母親がアイルランド人のインド系首相でした。国民が外国人を受け入れることに抵抗を持ってないと感じ、そこもよいところだと思います」(山下さん)

(構成/編集部・川口穣)

AERA 2024年10月21日号に加筆

暮らしとモノ班 for promotion
【セールは20日23:59まで】Amazon「プライム感謝祭」みんな何を買ってるの?先行セールで売れた商品をチェック!