石川:今回の座談会に向けて、クラスメートに18歳になったら投票に行くかアンケートをとってみたのですが、「行かない」という人の中で多かったのは「自分が行っても何も変わらない」という意見でした。
服部:今年の7月に東京都知事選挙があって、私は17歳でしたがクラスメートには18歳になっている人も大勢いました。私の周りでは比較的投票に行った人が多かったようですが、石川さんが言ったように「自分の一票で何か変わるわけがない」と棄権した人も実際にいました。でも、「変わるわけがない」ということは、社会や今の生活に不満や変えてほしいことがあるってことだと思うんです。公共や政治経済の授業で選挙の意義や仕組みは習うけれど、もっと身近なレベルで選挙に行くことにどんな意味があるのか実感できる機会があれば、変わってくるのかなと思います。
日常で感じるジェンダーギャップ
――今日の参加者はたまたま全員が女性でした。先ほど、「政治家は年齢層の高い男性が多い」という話もありましたが、社会に残るジェンダーギャップについてどう感じますか。
石川:選択的夫婦別姓は進めてほしいと思います。同姓にしなければならないことで生じる手続きや仕事上の不利益もありますけれど、それ以上に問題なのは夫の姓に合わせることが当たり前になっていることです。私たちの学校の先生で妻側の姓にした人がいるのですが、その話題になったとき、若い世代である私たち生徒から「なんで?」という疑問が出たんです。それが衝撃的でした。夫側の「家に入る」という考えが、無意識のうちに高校生にも染みついているんです。夫婦別姓が認められれば、そうした意識も変わっていくのではと期待しています。
岡島:私自身、政治家と言われて思い浮かべるのは高齢の男性です。社会全体で、ジェンダーギャップをなくす動きがもっと進んでほしいですよね。身近な例では、今は女子校ですけれど、小学生のときには出席番号が男の子が先、女の子が後でした。そのときは気にもしていなかったけれど、いま振り返るとこうしたところに性による区別があって、悲しかったですね。
小坂井:私の親の実家では、お盆などの法事ごとに本家に集まります。そのとき、料理をしたり動いているのは女性で、男性はお酒を飲みながらしゃべっているだけ。そういうところにも差を感じます。