岡島:私たちの世代はテレビよりもSNSを見ている時間の方が長いですし、動画などで発信した内容が流れてくると、若者が政治に興味を持つきっかけになるのかなと思います。

小坂井:ただ、SNSの選挙運動は候補者全員がそれをうまく利用できるわけではないので、政策や人柄とあまり関係なく、うまく利用した人だけが注目されることになるとも思います。候補者の努力の結果とも言えるでしょうが、選挙の公平性の観点から議論が必要なのかなとも感じます。

服部:一方で、SNSの選挙運動が注目されているのは、やっている人が少なくてインパクトがあるからですよね。例えば選挙ポスターとか政見放送に代わる公営制度として候補者全員のリール動画が流れてきても、逆に若者は興味を失うと思います。

「突き詰めると社会の問題なんだよ」

──若者の政治参加のカギはどこにあるでしょうか。

石川:先ほどの話に戻りますが、政治に関心がないという子でもいろいろ不満は持っています。例えば私は沖縄に住んでいますが、沖縄から県外の大学に進学するには金銭面などのハードルがあります。貧困率も高くて、大学進学が選択肢に入っていなかったり、高校の途中でお金がかかるからとやめてしまったりする子もいます。そうしたことも自分の家庭の問題として終わってしまう。それって突き詰めると社会の問題なんだよってことがもっと伝わる機会があるといいなと思います。

岡島:みんな高校に進学して卒業していくのが当たり前の環境なので、「お金がかかるから」と高校をやめる子がいるというのは驚きでした。でも、政治で解決できる問題がある、私たちの投票で変えられるんだってことはもっとみんなが知っていかなければならないですね。

服部:最近、授業で「権利を持っているのに行使しないのは権利があることに安住して甘えている」ということを学びました。いま、その状況にある若者が多いですよね。ただ、「政治は自分たちが感じている不満を解決する手段である」と思いにくいのも事実だと思います。

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留学先から「若者と政治」について