学校内の選挙で得た当事者意識

──学校生活では生徒会役員など選挙の機会もあります。選挙や生徒会活動などを通して変わる実感を得たことはありますか。

岡島:うちの学校でも選挙はあります。ただ、立候補者がなかなか集まらないようです。信任投票になる役職が多く、政治参加の機会としては残念ながら形骸化している気がします。

小坂井:私たちの学校では生徒会は役職によっては6人くらい立候補することもあって、大がかりな選挙活動をやっています。それ以外にも、生徒たちの投票で物事を決める場面がいくつかあって、一番大きいのは修学旅行。生徒がプレゼンして投票で行き先を決め、修学旅行実行委員会がプレゼン案をもとに実際の旅行プランをつくります。その委員長や副委員長も選挙で決まります。投票で決まると、先生から一方的に決められるよりも納得感がありますよね。方針の決定に関与したという当事者意識も持つことができます。国政などとは一票の重さは全然違いますけれど、政治参加することへの無力感は払拭されるかなと感じます。

石川:私の学校では数年前、生徒会によって校内でのスマホ使用のルールが大きく変わりました。ルール変更を公約に掲げた人が生徒会長に当選して、実際に先生方と交渉して学校のルールが変わったとき、生徒たちの選挙や政治に対する意識もちょっと変わったような気がします。本当に変わるんだって。

服部:私の学校でも生徒会選挙は結構大がかりにやっています。ただ、小坂井さんや石川さんの学校と違って生徒会の活動が私たちの生活に影響するような場面はあまりありません。小坂井さんたちのお話を聞いて、もしそうした機会があれば将来にも役立つだろうし、もっと広まってほしいなと思いますね。

都知事選をどう見たか

──実際の選挙ではTikTokなどSNSを活用する候補者も出てきています。高校生にはどう見えているのでしょうか。

服部:この前の都知事選は18歳になった子にとっては初めての投票の機会で、結構盛り上がったんです。高校生はSNSが情報源になるので、私のSNSも都知事選の話題がだいぶ増えました。周りの同世代の意見も聞けるし、身近に感じられる面もあったと思います。ネットでショート動画を見た候補者が地元に演説しに来るとわかって、友達と見に行ったりもしました。ネットをうまく活用している候補者は若者にかなりアピールできていたんだろうなと感じます。

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