隠さずに伝えたい
堂本:僕自身は、パニック障害になって、本当に死にたいと思いながら生きていた時期もあるし。でも、それを生きたいと思わせてくれたきっかけの一つが、ファンクなんです。それがやっぱり大きいんですよ。僕と同じように、苦しさを感じながら生きている人も世界にはたくさんいて、そういう人たちに、自分が本当にしんどかったときの気持ちを隠さずに伝えたいし、つらかったからこそ実感できた命とか愛の尊さ、そこにピントを絞って歌を作りたいと思いました。そのとき、やっぱりロックとかパンクだと、ちょっと怒りとか悲しみの色合いが強くなっちゃうなと感じたんです。でも、ファンクミュージックだったら、そうした心の強張りを解きほぐしてくれる。だから、命とか愛っていうものを柔らかく伝えたくて、僕はファンクを選んだんです。
(ライター・澤田憲)
※AERA 2024年10月14日号