小学生を中心に人気の「科学漫画サバイバル」シリーズのテレビアニメが10月5日からスタートした。これまでに発売された88巻には災害や新型ウイルス、エネルギー問題など現代の危機をテーマにしたものも多い。とくに大人にオススメのテーマは?
【写真と動画で見る】【祝アニメ化!】大人も楽しめる「科学漫画サバイバル」ってどんな漫画?
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今回、自分に与えられたミッションはこの秋、テレビアニメもスタートする、とある小学生向け学習漫画を読むこと。日本ではシリーズ累計1450万部を売り上げ、世界でも3500万部のヒットとなっている韓国発の「科学漫画サバイバル」シリーズだ。
以前、上場企業の社員をグループインタビューしたときのことを思い出した。雑談中、小学生の子どもを持つパパ、ママ社員が、子どもがハマっているという話で盛り上がっていた。
大人も飽きさせない
「もう、ボロボロになるまで読んでいて……」
「やだ、うちの子が小学生のときも同じ! 気がつけばいつも開いている状態で」
などなど、ここの企業で言えば、子どものトリコ率はざっと80%は下らないほどの人気が。いやいや、親は喜んで買ってくれるが、子どもはしぶしぶ読むというのが自分にとっての学習漫画の〝あるある〟。人気の漫画をチェックしていないとクラスの話題に入れなかった昭和時代でもあるまいし。今どきそんな漫画、ほんとにあんのか? という疑いを胸に、シリーズ中、とくに人気の数十冊を読んでみることにした……と、その前にまずは基本情報から。2008年の発売で、日本では56テーマ、88冊が発売されている。
科学漫画を名乗るだけに、テーマとなっているのは「恐竜世界」「昆虫世界」など。このほか、「異常気象」や「新型ウイルス」など、リアル世界で明日来るかもしれない危機からサバイバルするものや、「テーマパーク」「水族館」など、身近な施設でのサバイバルを描いた作品など、ユニークなテーマが多いのもシリーズの特徴となっている。
例えば、「巨大地震のサバイバル」だ。火山島にできた防災をテーマにした「防災パーク」に招待されたダイヤ、マーレ、キュリの3人が、その島でマグニチュード9の巨大地震に遭遇する。橋の落下や津波、土砂崩れ、悪天候などつぎつぎ襲いかかる危機を乗り越えながら、サバイバルする様子が描かれる。
地震が起こるメカニズムや防災の知識などが漫画のなかの会話や途中で挟まれるコラムで紹介されるので、トリコになって何度も読むうち、イヤでも身につく仕掛け。啓蒙ばっかりじゃないストーリー展開は、大人だって飽きさせないワザがある。
例えば高台に避難したものの、3方からの津波に囲まれ、命からがらに脱出する、手に汗握るシーンとか。コマ割りを大胆に工夫した迫力ある描写で、私の頭のなかではテレビアニメ化される前から、勝手にアニメ化されて焼き付いていたりする。