衆院本会議で質問する衆院議員時代の椎木被告

「組織が急拡大する中で不祥事という形で出る」

 また、AERA dot.が9月10日付で報じたように、掘井健智衆院議員(比例近畿)が、兵庫県の斎藤元彦知事を内部告発した元県民局長の個人情報や不確かな情報を市民に漏らす不祥事があり、維新は9月11日に掘井氏に厳重注意をしたと発表している。

 維新議員の不祥事は過去にもあったが、ここに記したのはすべて今月明らかになったことばかり。維新の不祥事の多さは異常な状況だ。

 維新の藤田文武幹事長は25日の会見で、不祥事が続くことについて問われ、

「組織が急拡大する中で、未熟さや不手際、不祥事という形で表に出る案件もあることについては、真摯に反省したいし、ダメなものについてはちゃんと対応していくということに尽きる」

 と苦々しげに語った。

 9月27日、斎藤知事は「出直し選挙」に無所属で出馬すると表明した。維新も新たな独自候補の擁立を模索するとしている。しかし、維新の県議はこうぼやく。

「維新が斎藤知事を支えてきたというイメージがしみつき、知事選にと声をかけても話すら聞いてくれない。これだけ支持が急落している中で、さらに不祥事が絶えないので仕方ない」

「かつての第3極は5年から10年で沈んだ」

 かつて維新の国会議員秘書を務め、今年7月の東京都知事選で石丸伸二氏の選挙参謀を務めた藤川晋之介氏は、こう話す。

「維新は党勢拡大を急ぐばかりに、私から見ると国政でも地方でも、とても議員になってはいけないと感じる人が選挙で当選している例が散見されます。十分、資質をチェックしないまま、勢いだけでやっているように思える。斎藤知事の問題も知事として県政を託せる人物なのか、調べていなかった結果でしょう。若い官僚OBだというので飛びついたと思う。古くは新自由クラブ、最近ではみんなの党、第3極と言われるところは5年から10年で沈んでいる。維新はなんとか10年やってきたが、一連の不祥事を見ると、限界に来ているのかもしれない」

 (AERA dot.編集部・今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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