「立憲民主党にも入ろうとしていた」
〈その後は話題にならず活動は辞めているものと考えておりましたが、3月に再度、別の話の流れで、政治塾への参加に加え、後援会行事の参加や選挙期間のサポートにも入ったことを聞くに及びました。関わりが深くなっていることに危機感を覚え、再度説得を試みましたが、彼の気持ちを変える事は出来なかったように思います〉
今年3月にはK氏がさらに深く北神氏陣営に関わっていることを知りながら、今まで対処できなかったということになる。
松井事務所の関係者がこう話す。
「9月20日くらいにメディアから取材があり、K氏がスパイのようなことをしていると聞いてびっくりした。普段、K氏は事務局長なのにあまり事務所には来ず、自身で経営しているという会社が忙しいのかと理由がわかりませんでした。政治信条や支持者も違うのにどうして他陣営に行っていたのかよくわかりません。松井氏はニュースが出てから、お詫びに歩いています」
松井氏は9月26日には記者会見を開き、
「(K氏は)北神氏だけでなく立憲民主党にも入り込もうとしていたようで、ゲーム感覚でやっていたのかもしれない。(北神氏の)名簿の流用などはありません。申し訳ありません」
と謝罪した。
だが、問題発覚後、K氏とほとんど連絡がとれず、
「真意が聞けていない」
とも言い、「スパイ行為」の実態は不明のままだ。
「変える。26歳 弁護士の挑戦」と掲げられた松井氏のホームページを見ると、27日現在、まだ維新の支部長の肩書になっている。プロフィール欄からは、松井氏が京都の高校から東大に進学し、東大法学部を卒業後は弁護士として東京・丸の内にある、日本で指折りの大手法律事務所に勤務し、政治家を志したことがわかる。弁護士という立場ならなおさら、昨年12月の時点でK氏が他陣営の「スパイ行為」にかかわらないよう、きちんと措置をすべきだったのではないだろうか。
維新の不祥事はほかにもある。