パワハラや「おねだり」など数々の疑惑が指摘された兵庫県の斎藤元彦知事が県議会の不信任決議を受けて失職することになった。知事選で斎藤知事を推薦し、与党として斎藤県政を支えた維新も批判を浴びている。ただ、斎藤知事にとどまらない。維新の政治家の不祥事が相次いでいる。
日本維新の会は9月25日、次期衆院選に京都4区から立候補を予定していた松井春樹氏(26)の4区支部長の辞任と離党の申し出を24日に受理したと発表した。
松井氏の事務所の事務局長K氏が、偽名を使って、同じ京都4区の現職である北神圭朗衆院議員(無所属)の陣営でボランティアスタッフとして活動していたことが発覚したのだ。
北神氏の事務所関係者は、
「同じ選挙区の他陣営に偽名で入り込むなんて、もうスパイじゃないですか」
と怒りを隠せない様子だ。
「最初は、ごく普通のボランティアとして街頭活動の設営、チラシを配布するなどしていた。熱心だったので、集会などの手伝いもしてもらった。最近になって『維新の候補者の事務所にいる人が、そちらでも手伝っているんじゃないか』との情報があり、調べたところ松井氏の事務局長だった。事務所に出入りしていれば、選挙や支援者の名前などが出ることもある。また事務所には後援会名簿など個人情報も多々あります。許しがたい行為です」(北神氏の事務所関係者)
事務局長だったK氏は、松井氏の小学校時代の同級生だった。松井氏は、問題発覚後、自身のSNSに、
〈関係者の皆様には深くお詫びを申し上げます。誠に申し訳ありませんでした〉
と投稿。経緯について次のように説明した。
〈昨年の12月頃、事務局長より私に相談がございました。「偽名で他陣営の候補とラインを交換しており、他陣営から街宣活動に誘われている」という内容でした。私はもちろん「やめてくれ。リスクでしかない。」と強く反対しました。その後に本人に確認すると街宣に実際に参加したことが発覚し、その時にはさらに強く引き留めました〉
松井氏は昨年12月には、K氏が北神氏陣営に入りこんでいることを把握できていたのだ。松井氏はさらにこう続ける。