小泉氏を支援する菅氏(左)

 小泉氏の推薦人のC議員が、陣営の内情を教えてくれた。

「党員票で小泉氏は、石破氏、高市氏に次ぐ3着と苦戦です。しかし議員票では菅氏の奔走もあってトップ、70票以上は取れるでしょう。2着までに入って決選投票になれば、萩生田氏や武田氏を陣営に引き込んでいますし、旧茂木派などにもプッシュして集票をしているから勝算はある。しかし決選まで進めるかどうか。菅氏は『おい大丈夫か』『早かったかなぁ』と小泉氏の勢いの陰りを察知して、石破氏と高市氏の決選投票の準備をしているようで、電話で情報集めに懸命です」

高市氏とはウマが合わない菅氏

 石破氏と高市氏の決選投票となった場合、菅氏は麻生氏とは逆に、石破氏につくという。

 菅氏のグループ「ガネーシャの会」のD議員はこう話す。

「菅氏は高市氏とは以前からウマが合わず、距離感がある。菅政権時代も、高市氏を閣僚や党三役には入れていない。また、菅氏は小泉氏の前に石破氏に声をかけていたけれど、ハッキリと返事をしないので愛想を尽かして小泉氏に方向転換した経緯がある。石破氏もその後、推薦人集めで苦労している段階で武田氏ら、菅氏の側近には頭を下げてお願いに行っている。決選投票を前に石破氏が菅氏に頭を下げれば、菅氏は確実に石破氏で動きます」

 具体的にはどう動くのか。

「21年の総裁選で提携した小泉氏、石破氏、河野氏の『小石河連合』を再結成して、小泉氏だけでなく河野氏らに分散している議員票をまとめあげる作戦です。最後は菅氏と距離がある岸田首相とも手を組むかもしれない。石破氏と岸田首相は親しい関係です。そうなると、林氏や上川氏の議員票にも食い込めます。それに党員票では石破氏が1着でしょうから、これが党員の世論だと、説得もしやすい」

 石破氏と高市氏の決選投票は、菅氏と麻生氏のキングメーカー争いにもなってくる。

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自民党はキングメーカーの解消はできなかった