自律神経は、交感神経と副交感神経からなり、両者がバランスよく働くことで、生命を維持するために必要な心拍や血圧、体温、胃や腸といった消化器の活動の調節などを行っているのですが、過度のストレスがかかったり、夜更かしをするなど生活習慣が乱れたりすると、そのバランスが崩れます。

 これまで腸活というと、食事内容を見直し、食物繊維やヨーグルトなど、腸に効くものを意識して食べること、自律神経が乱れる原因となるストレスを解消することなどに注目が集まりがちでした。

 もちろん、そうした体の内側のケアも大事ですが、それだけではお腹のトラブルは改善されません。また、整腸薬や下剤を利用しても、やはり慢性化した便秘などのお腹のトラブルはなかなか改善されません。

 薬に頼らず、体の内側のケアを行うだけでなく、とにかく運動を行い、腸をもんだり上体を動かしたりして、体の外側から刺激を与えること。お腹のトラブルをしっかり解決するためには、それが何よりも大事なのです。
 

長時間よりも毎日

 しかも、運動療法は、毎日少しずつでも続けることに意味があります。続けているうちは、どんどん腸は健康になり、健康な状態を維持することができますが、運動をやめると、せっかくの効果が失われてしまいます。

 先ほど紹介したイリノイ大学の実験でも、運動をやめると、短鎖脂肪酸の濃度が元の状態に戻ってしまったそうです。あなたの腸内フローラを活性化させる、30秒腸活を毎朝やろう! 私は、便秘外来に来られた患者さんに、腸を内側と外側から刺激する運動療法をおすすめしています。

 この運動療法は、私が長年の診療経験と研究結果をもとに考案したものですが、そのうち特にみなさんにおすすめしたいのが、腸もみ呼吸法と全身のばしです。

 腸もみ呼吸法は、腸のあたりをマッサージしながら、3秒吸って6秒吐く呼吸を何度か繰り返すというものです。一回あたり最低30秒程度でかまいません。私自身、必ず毎朝、腸もみ呼吸法を行っています。

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1日30秒の腸もみ呼吸法に効果