朝の過ごし方が変われば腸が変わり、腸が変われば人生が変わります。

 朝起きたら、まずは最低30秒程度、腸もみ呼吸法を行ってから、やはり30秒程度、全身のばしを行う。これを毎朝続けることで、自律神経のスムーズな切り替えを促し、腸を刺激し、腸内環境を整え、腸の健康を保つ。

それこそが究極の腸活なのです!
 

なぜ、たった30秒の腸活でいいのか?

 これまで数多くの患者さんの腸と向き合ってきたからこそ、わかったことがあります。

 それは、「運動療法をはじめとする腸活を続けるのは、なかなか難しい」ということです。

 腸を本当に健康にするためには、腸活を続ける必要があります。気まぐれに何日かだけやっても意味はありません。腸活を続けている間は、腸はどんどん健康になり、その健康が維持されますが、腸活をやめてしまうと、せっかくの効果が薄れてしまうからです。

 ただ、自分の腸内を直接見ることはできません。たとえば、普段の便の状態や体調などから「腸が確実に健康になっている」と実感できるようになるまでには、たいてい数週間から2か月ほどかかります。

 始めのうちは、なかなか効果を実感しにくいのです。それが、腸活を続けていくことを難しくさせる原因の一つになっているように感じます。

 そこで私が考えたのが、「毎朝、最低30秒ずつ、全身のばしと腸もみ呼吸法を行う」という、無理なく簡単に続けられて、しかも効果の高い腸活なのです。もちろん、全身のばしと腸もみ呼吸法を30秒以上やっていただいてもかまいません。しかし大事なのは、あくまでも「続けること」。

 腸は習慣を大切にする臓器です。

 朝昼晩の3回、腸活を行うようおすすめしたこともありますが、腸もみ呼吸法と全身のばしを、一日1回30秒ずつでいいので、とにかく毎日続けましょう。それに勝る腸活はありません。これが、約30年間、腸と向き合ってきた私の結論です。

 腸は、手をかけてあげればあげただけ、健康になってくれます。

 みなさんには、ぜひそれを理解したうえで、楽しく長く腸活を続けていただければと思っています。                                    

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小林弘幸

小林弘幸

小林弘幸(こばやし・ひろゆき) 順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。1987年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科などの勤務を経て順天堂大学小児科講師、助教授を歴任。腸と自律神経研究の第一人者。『医者が考案した「長生きみそ汁」』など著書多数。テレビなどメディア出演も多数。

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