中でも便秘は、心身にさまざまな悪影響を与えます。慢性的な便秘は、肌のトラブルや肥満、免疫力の低下、アレルギー、うつ病、認知症などの原因になるだけでなく、高血圧や動脈硬化、脳卒中、心血管疾患といった病気のリスクも高めるのです。

 初めて便秘外来にいらっしゃる患者さんのほとんどは、元気がなく、顔色が悪く、肌荒れがひどく、体全体がむくんだような状態です。便秘はそれほどまでに、心身の健康を損なうのです。

 ただ、そうした患者さんたちも、「大変でしたね、苦しかったでしょう」と声をかけ、腸にまつわる話をしているうちに、少しずつ表情が明るくなっていきます。自分でできることをいろいろ試しても効果があらわれず、ほかの人にもなかなか相談できないという状態で来られる方が多いため、便秘の苦しみをわかってくれる医師がいるだけで、気持ちが楽になるようです。

 さらに、症状が深刻なときのみ整腸剤や下剤などを処方しつつ、腸を整えるための簡単な体操や食事をお伝えし、実践していただくと、ほんの3週間から1か月ほどで、みなさん、生まれ変わったように元気になり、若々しく美しくなります。
 

あなたの腸は疲れていないか?

 患者さんの多くは、便秘の症状がかなりひどくなってから便秘外来に来られるのですが、腸が疲れていることに気づいていない人も世の中にはたくさんいます。毎日便が出ていても、腸が健康であるとは限りません。

 そして、腸の疲れを放置していると、「体がだるい」「よく眠れない」「病気にかかりやすい」「やせられない」「肌が荒れる」「花粉症がひどくなる」といった、心身のさまざまな不調が起こるようになります。

 ではここで、みなさんの腸の疲れ具合をチェックしてみましょう。

 腸を実際に目で見ることはできませんが、便の様子や生活習慣から、腸がどのような状態なのかを知ることはできます。ぜひ、「腸疲労チェック」を試してみてください。簡易的なものですが、ご自身の腸がどれだけ疲れているかを計る目安になるはずです。

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