長時間労働や教員不足が問題視される学校現場。実際どんなことが起きているのか。公立校の現役の先生たちの生の声を聞いた。AERA 2024年9月30日号より。
<参加者>
A:関西・小学校教員・女性
B:東北・小学校教員・男性
C:関西・高校教員・女性
D:関西・小学校教員・男性
E:九州・小学校教員・女性
F:中部・特別支援学校教員・女性
G:関西・スクールソーシャルワーカー・女性
H:九州・小学校教務主任・男性
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A:一昨年度まで勤めていた学校は4人欠員からスタートしました。1月から産休に入る教員がいることもわかっていたのに結局2人増員にとどまって、教員が足りないまま1年間を終えました。加配教員がいても、本来は不登校対応など課題解決のサポートが与えられた職務であるにもかかわらず、担任を持たなければならないというような状況が起きています。
B:私が勤務する小学校では、定数上は足りているのですが、常に人手不足の感覚はあります。子どもが教室から飛び出してしまったときに追いかけて授業が中断するとか、授業中に不登校の子が登校してきて急遽対応しなければ……とか、そういったケースには対応できない。先生がもう一人いればと思う場面はかなりあります。
C:私の高校では昨年、担任教師が1人抜けるということがありました。学年6クラスで、1クラス40人。休んだ先生のクラス40人を残りのクラス担任に8人ずつ振り分けるような形になった。こうした負担増の背景には教員数のカウントの仕方にあると思っています。それぞれ週3で働く再任用教員と育休取得した教員がいると、足して「1」とカウントするんです。数字上は足りていても正規の「1」ではないので担任はさせられない。そうなるとフルタイムで働く教員に仕事が偏るわけです。
次々に休むし辞める
A:教員間でこうしたらよくなるよねというような、健全な雑談すらもない、余裕のない職場は問題ですよね。本来なら子どもたちと話をする、一緒に運動場で遊ぶなど、子どもに還元できる時間を書類づくりや増え続けているテストの採点などに奪われてしまう。
D:授業の合間とか、本来教員の仕事は隙間時間があると思うんですが、その隙間を出張やら研修やらで目いっぱい埋められてしまう。教室の片づけをしたらすぐに出張に飛び出して定時までそこにいて帰宅というような。次の日の仕事の準備はいつするの?というような環境です。