中井さんは6月のPTA総会に出席。法的根拠を挙げて「強制加入」の問題を指摘した。

「その場にいた役員たちはぼんやり私の説明を聞いていて、反論はいっさいなかった。けれど、誰も謝罪はしませんでした」

 結局、役員は「入会届の整備には時間がかかるが、進める」と認め、総会は終了した。現在、中井さんは推移を見守っている。

 大塚さんは言う。

「届を整備して、PTAに加入する人が減ったら、そのぶん活動規模を縮小すればいい。大切なのは頭の切り替えです」

 入会届を整備するなどして改革を行い、少人数で活動するPTAは増えてきているという。運動会の手伝いなど、人手が必要なときはボランティアを募集する。会員に熱意があるので活動も活発だという。

「改革は徐々に進んでいますが、挫折して心が傷つき、『こんな目に遭うのだったらやらなければよかった』と言う人もいる。それを目にするのは胸が痛みます」(大塚さん)

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

AERA 2024年9月30日号より抜粋

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