「DeNA編成部の判断になるが、評価は難しいところではある。今季も怪我はあったが早期の復活ができて結果は残している。しかし、(今季は到達する可能性が高いとはいえ)昨年までの4年間で規定打席到達が1度もないのは気になるところではあります」(在京球団編成担当者)

 常に怪我で離脱の心配があるのは否定できないが、やはりグラウンド内での成績だけでは測れない部分もあるのがオースティンの価値。プレーと同様に存在自体がチームに与える影響は大きいという。

「今季は打撃の結果で大きな貢献をしているが、それ以上にチームの雰囲気を良くしてくれる。投手と野手、分け隔てなく話しかけ、勝利への強い意志をチームに注入してくれる。普段は穏やかで明るいナイスガイなのも素晴らしい」(DeNA関係者)

 米国では2010年のMLBドラフト13巡目(全体415位)でヤンキースに入団。プロ入り時の評価はそこまで高くなかったが、マイナーで結果を残して常勝軍団のプロスペクトと呼ばれるまでに成長した。だが、メジャーでは4チームを渡り歩いたが、定位置を確保したシーズンは一度もない。それがゆえにDeNAでレギュラーとなり、頂点に登りつめたいという気持ちが強いようだ。

 勝つための「気配り」を欠かさないという声も多い。チームの調子が悪い時に選手、スタッフにお揃いのTシャツを配って雰囲気を変えようとしたことがあった。また結果が悪く落ち込む選手に声をかけることも忘れない。

「おとなしい選手が多い中、グラウンド内外で牽引役になっている。今からプレースタイルを変えるのは難しいので、怪我のリスクには目をつぶるしかない。TAのような選手を探してくるのは簡単ではない。近未来の優勝を目指すなら契約延長は絶対条件」(DeNA球団OB)

 昨今は「当たり」外国人選手を見つけ出すのが難しく、国内の他球団で活躍した選手をチームに招き入れるケースも目立つ。オースティンのような活躍ができる選手は貴重な存在だ。

 怪我なく健康でプレー出来れば結果を残してくれる選手であるのはファン、関係者の誰もが知っていること。今季のリーグ制覇は苦しくなったが、来季も今シーズンのような打棒を見せてくれれば、1998年以来となるセ・リーグ優勝も夢ではないだろう。来シーズン以降もグラウンド内外でチームに“貢献”してくれるTAの姿を誰もが待ち望んでいるはずだ。

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