引っ越しのときにとりあえずモノを押し込んだクローゼット/ビフォー
引っ越しのときにとりあえずモノを押し込んだクローゼット/ビフォー

「環境って大切なんですね。きれいな部屋の中だと、怒っている自分が不釣り合いに思えてきたんですよ。片づけが終わってから毎日お花を飾っているんですけど、『きれいなお花がある場所でイライラしている私って、どうなの?』って(笑)」

 お花は、お店で長男と一緒に「どれがいい?せーので言ってみよう」と選んで買っています。「今度はいつ行く?」と2人の楽しみにもなっているそう。

「私、夫にもイライラしていました。家の中で私だけが動いている気がして、『察してよ!』って。でも、片づけが終わって落ち着いてみると、夫はやってほしいとお願いしたことはきちんとやってくれる人だと気づいたんです」

 みくさんは、自分の気持ちを素直に口にすることにしました。「子どものごはんを食べさせるのを手伝ってほしい」と言うと、夫は嫌な顔をせずにやってくれます。また、「ありがとう」と伝えると、夫はうれしそうな表情を浮かべます。

「あ、これでいいじゃんって思いました。私はやってほしいことをしてもらえる。夫は頼られてうれしそう。Win-Winの関係ですよね」

 長男と夫とのコミュニケーションがよくなり、家族でいる時間に笑顔が増えたというみくさん。「片づける」という自分との約束を果たせたことも、自信につながったと言います。今後のことも話してくれました。

不要品を手放し、季節の洋服を別の場所に保管して使いやすくしました/アフター
不要品を手放し、季節の洋服を別の場所に保管して使いやすくしました/アフター

「私と夫の実家、両方とも片づけたいです。あと、仕事のブランクが5年あったので勉強もしたい。あ、夫の単身赴任がもうすぐ終わるので、家の中をもう一度見直さないと。見通しを立てて計画したり、PDCAを回したり、今回の経験を生かしたいですね」

 毎日イライラしていた頃は、何でも1人でがんばっていたのでしょう。でも、家族と協力し合える関係になれたみくさんは、今後どんな目標を立ててもみんなでクリアしていけそうです。

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西崎彩智

西崎彩智

西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。

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