「私たちが最も大事に考えてきたのは『本人の意思なくして成長なし』ということです。何かを押し付けたり『勉強しなさい』と強制したりすることはしないと決めてきました。よく聞かれるのですが、我が家では英才教育らしきことは全くせず、一般的な英会話教室や公文式や算盤ですら全くやらせていません」

その代わり通わせたのが、頭の体操をする知能教室。そして小柄だった2人を強くさせ自信をもたせるための空手だ。しかしこれらも、まずは本人たちに体験させ意思を確認し、道場も選ばせた。

「自分で決めたことなら責任も感じるでしょうし、何より楽しいと思えること、やりたいと思えること、その中で成長していく自分を実感できることが一番だと考えたからです。通っていた極真空手の道場では、整列するときは帯の順で並びます。帯の色が変わることで自分の成長を確認できますし、難しい型ができるようになったり、組手のトーナメントで勝ち上がって入賞したりすることで、成長していく面白さを実感できたと思います」

 家で日々の宿題や勉強を見るのは主に母の恵美さんだったが、子どもたちにやる気を出させるように「ポイント制」を取り入れた時期もあった。たとえば、宿題を何ページかやると何ポイントかもらえて、それをお菓子やゲームをする時間に交換できる、というものだ。

「そのころ、DSにハマッていたので、何ポイントかたまったら何分かゲームができると励みにしていたことを覚えています。頭の体操では、遊び道具やパズルなどを通して想像力を養えましたし、空手では自信がついた。いろいろな方向から刺激を与えてもらいましたし、さまざまな経験もさせてもらって感謝しています」(悠生さん)

それぞれが打ち込んだ勉強方法

並行して、慶人さん、悠生さんともそれぞれの受験期には塾に通ってきた。医学部受験に際しては、医学部志望コースがある地元の塾に通った。

左が長男・國井慶人さん(朝日大学病院研修医)、右が次男・悠生さん(岐阜大学医学部3年生) 孝洋さん提供

 慶人さんが医学部に目標を定めて勉強を始めたのは高3の7月。すでに部活の柔道部は引退していたので、毎日学校から帰ると休憩もせずに自転車で塾へ行き、塾が閉まる時間までずっと自習室で勉強を重ねた。いつも最後の1人か2人になるまで没頭した。

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