中日を支えてきたダヤン・ビシエドの去就が注目されている。
2016年に中日に入団すると、広角にライナー性の打球を打ち分けるスタイルで中軸として活躍。18年に首位打者と最多安打のタイトルを獲得するなど、中日に在籍した外国人選手で最多記録となる来日通算1012安打、549打点をマークしている。ただ近年は出場機会が減少。昨年は91試合出場にとどまり、一塁を守る中田翔が加入した今季は15試合出場のみ。打率.209、1本塁打、2打点で、6月9日に登録抹消されて以降は1軍から声が掛かっていない。今季限りで中日を退団する可能性があり、他球団が獲得に乗り出すか気になるところだ。
Gグラブ賞受賞の守備も高評価
複数の球団関係者に話を聞くと、評価が分かれる。
パ・リーグのスコアラーは「ファームでプレーを見ていますが、飛距離は全盛期より明らかに落ちている。35歳という年齢を考えると仕方ないですが、来季以降1軍で通用するかというと疑問符が付く」と指摘する。
一方、セ・リーグの打撃コーチは「今年の推定年俸3億5000万なら編成会議の俎上に上がりませんが、年俸3000~5000万円なら獲得する価値は十分にある。日本で実績のある選手だし、打撃フォームを少し修正すれば1軍でまだまだ通用する。日本人枠で獲得できるし、守備面の不安がないこともプラスアルファです」と評価する。
確かに、ビシエドは一塁の守備も巧い。メジャーでは外野を守ることが多く、来日当初は不慣れな一塁に苦戦することがあったが、練習や実戦を積み重ねることで安定感が増し、20、21年と2年連続ゴールデングラブ賞を受賞。難しいショートバウンドの送球を巧みなハンドリングで捕球し、内野陣の信頼が厚かった。また、ビシエドは国内FA権の取得条件を満たしたため、今年から日本人選手扱いになっていることも移籍には有利だ。