及川美紀さんの愛読書は茨木のりこの詩集(撮影・写真映像部/松永卓也)

――最後に、愛読書を聞いています。

及川:茨木のりこさんの詩集です。たくさん詩集は出てますが、『おんなのことば』(童話屋)がとても好きで、そこに収められている「自分の感受性くらい」に心を打たれました。

ぱさぱさに乾いてゆく心を

ひとのせいにはするな

みずから水やりを怠っておいて

「これか、叱られた」と思いました。水やりをしない理由は自分でいっぱいつけられるんですよね。

 この本に出合ったのは、40代前半の管理職なりたてのころでした。研修の推薦書リストの中に入っていたんです。当時は子育ても忙しかったので、分厚いビジネス書は読めないので、これくらいなら読めるかなと手にとったのがきっかけ。消極的な理由で選びました。

 でも、そしたら、「感受性くらい」でいきなりやられました。ああ、そうだよね、と。私も理想を言っていても悩み、惑うので、ときどき横道にそれちゃうこともあるんですよ。そういうときに、叱ってもらえる本ですね。

【前編へ】「稼ぎたかったんです。家が貧乏だったから」ポーラ及川美紀社長が語る原点と働く幸せとは?

及川さんは手帳に心にとどめておくべき言葉を書き留めている(撮影・写真映像部/松永卓也)
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