オーケー銀座店が入るマロニエゲート銀座2ビル

 一方、今回は2位に甘んじたレジェンド「オーケー」のヘビーユーザーに取材すると、こんな声もあった。

「ほかのスーパーで見かけない商品も多く、ワクワクするような品揃えが特徴です」(千葉県・女性・41歳・会社員)

「安いだけのスーパーという印象が変わったのは、ピンクのでんぶを買いに行ったとき。『着色されたものはできるだけ扱わない』と茶色いでんぶを薦められた。トレーを使わない簡易包装の肉など、いい意味で何かと魂に触れてくるスーパーです」(横浜市・女性・51歳・会社員)

店員さんも魅力

 5回の総選挙を間近で見てきたジェーン・スーさんによると、推しスーパーの魅力としてよく挙がるポイントは、安さのほか、「充実した品揃えやお総菜のおいしさを魅力に挙げる声は多い。また最近は『店員さんが楽しそう』とか、『店員さんの教育がいい』など、店員さんを魅力のひとつにする声も目立ちます。その企業が働いている人をどれだけ大事にしているかをユーザーは見ていて、その店の魅力として直結させていると思いますよ」。

 例えば全四十数店の少ない店舗数ながら、17位にランクインしたオオゼキにはこんな声が。

「かつての商店街のような活気があるほか、お正月はしっかり休むなど、従業員ファーストなところも好きですね」(東京都・女性・52歳・フリーランス)

 一方、4位のライフには、「生鮮、お総菜、調味料など総合力で一番。時折見る和牛の牛スジのクオリティーの高さにびっくり。しかも安い」(東京都・男性・53歳・大学教員)。

 また今回、新チャンピオンとなった「ヤオコー」も、おいしいお総菜が武器のひとつ。番組に寄せられたメッセージでも、「プライベートブランドと総菜がおいしい。とくにおはぎや、パンに6種のチーズが入ったチーズSIXなどは、見かけたら必ず買います」(埼玉県のラジオネーム・十二単でフラダンスさん)という声が。

 また、ヤオコー誕生の地、埼玉県のソウルフードならぬソウルスーパーとして、地元に多くのファンがいるのもヤオコーの強み。今回の総選挙ではヤオコーが最後の約2週間で得票数を劇的に伸ばして、とうとうごぼう抜きの1位になったが、「前回も、オーケーとヤオコーの差はわずか200票。いつ、どちらがトップになってもおかしくない状態だったところに、8月12日の中間発表でヤオコーは、これまでなかったほど低い5位だった。それを聞いて、まだ投票してなかったヤオコーファンの人たちが、まずいまずいと一気に投票してくれた可能性はありますね」(ジェーン・スーさん)。

(ライター・福光恵)

AERA 2024年9月16日号より抜粋

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