ジェーン・スー(じぇーん・すー)/1973年、東京都生まれ。作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティー。著書に『闘いの庭 咲く女』ほか多数(写真:写真映像部・佐藤創紀)
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 日々の生活を支えてくれる身近なスーパー。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」の企画「スーパー総選挙」には、リスナーの応援や感謝のコメントがあふれる。価格だけではないスーパーの多彩な魅力がある。AERA 2024年9月16日号より。

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「ついに……ついに……王者陥落!」

 ドラムロールに続いてそんなアナウンスが流れたあと、いよいよ第2位のスーパーが発表された。読み上げられた店名はなんと、過去4回の総選挙でいずれも1位を守ってきたディフェンディングチャンピオン「オーケー」。TBSラジオが流れる地域のお茶の間から「まさか……」の声がこだました気がした。

 こちらTBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」で8月29日におこなわれた「スーパー総選挙」結果発表のクライマックスシーン。1カ月半にわたるリスナーの投票で「スーパーのなかのスーパー」を決める総選挙は過去最多の3万7155票を集め、盛り上がりを見せた。

雑談がきっかけ

 この企画が始まったのは、2017年。あのスーパーはあのお総菜がうまい、あのスーパーは肉はいいけど魚はだめなど、休憩時間にスーパー話で盛り上がっていたスタッフの雑談がきっかけだったという。パーソナリティーを務めるジェーン・スーさんはこう話す。

「自分が好きなスーパーについての思いの熱が、すごく高いというのを知って、もしかしたらリスナーの皆さんと一緒にやったら楽しそうと思って始まったんですよね」

 第1回の投票総数は約1500票。だが7年のうちにその数は20倍以上に膨れ上がる。

「でも今も熱量は変わってないんですよ。自分のことをわかってくれている身近なスーパーを応援したいという一票の熱さは、どれだけ多くの人が参加してくれるようになっても同じ。我ながら楽しいイベントだなと思います」(ジェーン・スーさん)

 例えば、今回3位に輝いた「スーパーベルクス」にはリスナーから番組に愛があふれるこんな応援メッセージが届いていた。

「毎日のように利用しているスーパーです。値段もお手頃価格で助かっています。上場していたら株を買いたいくらい。もっと知名度が上がってうるおって、末永く営業してほしいので投票します」(千葉県のラジオネーム・ベルクスっ子さん)

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店員さんも魅力