「凶器攻撃だけでなく基本のレスリングを磨くのにも余念がなかった。凶器攻撃もどうすれば会場内で見やすくてテレビ映りが良いのか研究していた。本物のプロレスラーという印象」(元全日本女子プロレス関係者)

 近年リングへ上がる機会が減ってからは、テレビの番組などで自身のつらい過去を語ることもあった。「成功へのモチベーションはお金だった」とはっきり口にしている。

「プロレス界入りの理由として『母親に家を買ってあげたかった』ことも知られる。子供の頃から家庭環境に苦しみ貧乏生活を送っていた。プロレス界に入った後も大変な時期はあったろうが強い思いを持っていた」(元プロレス雑誌編集者)

「世界一の悪役になると決めてからはブレることがなかった。女性として見られることを捨て去り、相手選手はもちろん日本中を敵視するようにしていた。24時間365日、ダンプであり続けようとした」(元全日本女子プロレス関係者)

 金髪にサングラス、ポリス帽子を被った。革ジャンを羽織り、手にはチェーンを持っての入場は全て自分自身で考えた。米国WWEの殿堂入りを果たしたブル中野を極悪同盟に誘い入れたことでも知られるなど、プロデュース能力に長けたレスラーだったこともわかる。

「心優しい女性が覚悟を決め、あれだけの極悪レスラーになったことに敬意しかない。ダンプを超える存在感のあるヒールレスラーは今後も現れないかもしれない」(元プロレス雑誌編集者)

 家庭環境に恵まれずつらい思いを背負ってきた女性が、世界に知られる悪役レスラーに登り詰めた。明るい未来を感じにくく何かと世知辛い時代、ダンプ松本がヒールとして強く成り上がっていく姿は憎しみではなく、逆に見る人に勇気を与えるのではないか。人気低迷が指摘されるプロレス界、再び脚光を浴びるための救世主になれるかもしれない。

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