「できる限りのご協力をお願いした」
「パレード前には50万円しか信用金庫からは寄付が集まってなかった。あなた(片山氏)が(信用金庫を)訪問した後、具体的には、パレードの終わった後に(寄付が)振り込まれて、総額が2千万円になっている。50万円が、あなたが行ったことによって、1950万円増額された。2千万集めてくれって、訪問された信用金庫の理事長に言われたんですか?」
予定になかった追及に、片山氏は慌てた口調で、
「委員長、ちょっと今日の内容と違うんですけど、それはよろしいんですか」
とうろたえる。百条委員会の委員長で弁護士資格も有する奥谷謙一県議が、
「記憶の限りで、お答えできる範囲でお答えください」
と促すと、片山氏は、
「お願いに行きました。具体の金額を頼んだ覚えはありません。できる限りのご協力をお願いしますと言いました」
と信用金庫に寄付を求めたことを認めた。
3億円も膨らんだ金融機関向け補助金
問題となっているのは県の金融機関向けの「中小企業経営改善・成長力強化支援事業」による補助金。2023年12月の補正予算での補助金額は、11月14日の財政課長査定の段階では総額1億円だったが、16日には総額3億7500万円に増額され、最終的に斎藤知事の判断で「きりのいい金額」ということになり、総額4億円の補助金が計上されている。優勝パレードは11月23日。告発文書で「幹事社」と名前が挙がっていた信用金庫が寄付の受付をしたのが11月17日と28日で、その後、13の金融機関が相次いで寄付をして、「その総額は2千万円になったことを確認している」と竹内県議はいう。
斎藤知事はこの問題について記者会見で問われた際には、補助金の増額は認めたが、
「キックバックさせることで補ったとありますが、そのような指示をしたことはありません」
「同時期に進んでいたが、補助金と優勝パレードは別の事業」
などと優勝パレードと補助金の関係については否定している。