男性の育休取得率が3割に達したという調査結果から見ても、家事育児をする父親は増えた。しかし女性より短い5日未満の育休取得や、休みの日に子どもの世話をしている姿をSNSで投稿するなど表向きだけのイクメンもちらほら。AERA 2024年9月16日号より。
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男性の育児休業取得率がようやく3割に達した(2023年度雇用均等基本調査)。かつては結婚や出産時の離職が多く、M字カーブを描いてきた女性の労働力率を示すグラフはほぼ台形となり、本誌でも仕事や家事育児に切磋琢磨(せっさたくま)する若い夫婦を見かけることが増えた。子どもを持つ女性が働き続けることがだいぶ当たり前の世の中になってきたようだ。
だが、まだまだと感じることも多い。男性の育休は女性に比べて短く、共働きや子育て世代向け転職サービス「withwork」を運営するXTalentが今年6~7月に実施した調査では、夫が取得した育休期間が5日未満の場合「不満足」と感じる妻が6割。一方、6カ月以上の場合は「不満足」と回答する妻の割合はゼロだった。仕事から帰れば食事の支度や子どもの世話を一人で担い、「何がイクメンだ」とため息をつく女性は今も多数派だろう。
「SNSで『子どもの世話してます』アピールをする男性にモヤモヤする」と話すのは、静岡県に住む40代の公務員女性だ。
「男友達が、よく休日に子どもと外出した写真をSNSにアップしては、『今日は子どもとパパだけでお出かけ。ママがいなくても大丈夫!』などと書いている。でも私は妻側からも『お出かけまでの準備は全部こっち。子どもが、やっぱりママがいい、とぐずるとすぐに帰ってくる』と内情を聞いているので、彼の投稿を見るたびモヤつきます」
この女性は、父親のなかには、子どものことよりも「いかに自分が育児にかかわったか」をSNSに投稿する人が多いように感じるという。そんな投稿を見た際は「いいね!」でなく「うけるね」ボタンを押すのがささやかな抵抗だ。