栃木県の沼原湿原を散策し、休憩。雅子さまに抱かれた愛子さまが、手を伸ばして皇太子さま(当時)の顔に触れる。皇太子さまが手にしているのは愛子さまを背負うためのベビーキャリー。ご一家の笑顔が弾ける=2002年8月16日 代表撮影

 また、「3、4メートル歩けるようになった」ばかりの愛子さまへの感動も明かされた。

「もうその日の夕方には,その3倍ぐらい歩くようになっておりまして,私自身も今お話したように,子供の成長が非常に速いということに改めて驚いております」(皇太子殿下お誕生日に際し/平成15年より)

“その3倍”という表現に、驚きと深い感動が込められている。また、よちよち歩きの愛子さまをずっと見守る天皇陛下の深い愛情が伝わってくる。

「愛子の養育方針」として語ったのは平成17年だった。このとき、愛子さまは3歳。

「3歳という年齢は今後の成長過程でも大切な時期に差し掛かってきていると思います。愛子の名前のとおり,人を愛し,そして人からも愛される人間に育ってほしいと思います。それには,私たちが愛情を込めて育ててあげることが大切です。つい最近,ある詩に出会いました」(皇太子殿下お誕生日に際し/平成17年より)

葉山御用邸近くの海岸・小磯の鼻を散策するご一家。葉山御用邸(後方)近くの海岸・小磯の鼻へ散策に出て、砂遊びの道具を手に、迎えた地元の人たちを見つめる愛子さまと、笑顔で手を振る皇太子さま(当時)と雅子さま=2003年4月13日 代表撮影

 天皇陛下がいう詩とは、ドロシー・ロー・ノルトというアメリカの家庭教育学者の作った「子ども」という詩で,スウェーデンの中学校の社会科の教科書に収録されているという。記者会見では「子ども」を朗読している。
 

『批判ばかりされた 子どもは
非難することを おぼえる

殴られて大きくなった 子どもは
力にたよることを おぼえる

笑いものにされた 子どもは
ものを言わずにいることを おぼえる

皮肉にさらされた 子どもは
鈍い良心の もちぬしとなる

しかし,激励をうけた 子どもは
自信を おぼえる

寛容にであった 子どもは
忍耐を おぼえる

賞賛をうけた 子どもは
評価することを おぼえる

フェアプレーを経験した 子どもは
公正を おぼえる

友情を知る 子どもは
親切を おぼえる

安心を経験した 子どもは
信頼を おぼえる

可愛がられ 抱きしめられた 子どもは
世界中の愛情を 感じとることを おぼえる』

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詩を読み終え愛子さまの将来について語る