家に帰って一人になると、つい反省会をしてしまう。切り替えようと思っても、いつまでもクヨクヨ考えてしまう……。そうした際限のない反省会について、「99%が杞憂」と指摘するのは、精神科医Tomy氏だ。
新刊『「内向的な人」の幸福戦略』の中で、心がけたいことについて触れている。本書から一部抜粋して解説する。
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Q:一人になると、つい反省会をしてしまいます。「あれは言わなければ良かった…… 」などと思い返して、自己嫌悪。
精神科医Tomy:反省会って一体どんなときに行っているのでしょうか? 家に帰ったあとや、寝る前。つまり、ごろっとしていて、何もしていないとき。
あるいは、何かしていても、そのことに集中できず心だけ違うところに泳がせているときですよね?
これは、実は「頭がお暇」なときなんです。目の前のことに集中していれば、そんなことは考えない。ですから「頭をお暇」にしないようにすればいいわけですよね。
その方法は「環境と行動を変える」こと。たとえば反省会をしそうになったら、ベッドルームに移ってストレッチでもするか、リビングでテレビでも見るか、洗いものでもする。
これによって、気持ちが新しい環境や行動に向けて切り替わります。反省会が始まるたびに、この2つ、あるいはどちらかだけでも導入すれば、とりあえず反省会をやめることは可能です。
しかし、頭がモヤモヤしているときは、これをやっても何度でも反省会を始めてしまうのですよね。ですから、根本的にアナタの心配は杞憂であることをお伝えしておきたいと思います。
人間どんな言動も、ある程度は想定内です。よっぽど奇妙なことでもしない限り、誰もおかしいと思いません。それどころか覚えてもいません。
たとえばアナタが誰かと会ったとき、いちいちその言動を覚えていますか? 「もっと優しい言い方がいいんじゃないか」などと批判的に思いますか?
たいていそんなことはないでしょう。大きな事件でも起きない限り、そんなことは思わないはずです。
アナタがくよくよと思い悩んでいるのは、「もっと笑顔で話せばよかった」「もっとはっきり挨拶すればよかった」「みんなにもっと気を配ればよかった」というような、おそらく小さな選択肢での後悔のはずです。それはきっと周りの人間には気にもされていないのです。アナタが他人の言動についていちいち覚えてもいないように。
むしろクヨクヨしすぎることによって、周りの人間は違和感を抱くかもしれません。アナタの反省会は99%杞憂で、必要のないことです。意図的に悪意がある行為以外は、気にする必要なんかないのです。
まとめ:反省会は「頭がお暇」な証拠。環境と行動を変えよう。そもそも他人はアナタの言動を覚えていないから大丈夫。
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