この“降格有力ランプ”が灯っている2チームを尻目に一気に浮上したのが、京都サンガF.C.(勝点34:9勝7分け12敗)だ。開幕から勝ち切れない試合が続き、5月には5連敗を喫し、第17節終了時点では最下位・札幌と同じ勝点11の19位に沈んでいた。しかし、6月1日に就任した大清GMの下で積極果敢な戦力補強を敢行。その中で“大当たり”となっているのが、クルゼイロから獲得した元U-20ブラジル代表のFWラファエル・エリアスだ。

 優れた技術と秀でたパワー、そして抜群の決定力で、8月17日の第27節C大阪戦でハットトリックを決めるなど、リーグ戦6戦6発の救世主ぶりを発揮している。チーム全体としても戦いの方向性が定まり、6月30日の第21節から6勝2分け1敗の快進撃を見せている。現状はまだ残留争いからは抜け出したとは言えないが、現在の勢いを考えれば、ひとケタ順位でフィニッシュする可能性もある。

 この京都の上昇ぶりが顕著な中で降格圏の18位に転落したのが、ジュビロ磐田(勝点28:7勝7分け14敗)だ。昇格クラブとして開幕を迎えた中で、FWジャーメイン良が得点を量産して勝点も積み重ねたが、4月7日の京都戦での勝利を最後にアウェイ試合が11戦未勝利(4分け7敗)と波に乗れず。

 負傷で一時離脱していたジャーメインはすでに戦列に復帰し、夏の移籍期間でC大阪からMFジョルディ・クルークス、FW渡邉りょう、新外国人としてDFハッサン・ヒルを加えたが、まだ完全に機能してはいない。町田や鹿島に勝利する金星を挙げながら、直近の第28節で最下位の札幌相手に喫した0-2の敗戦が痛かった。

 ただ、その磐田とJ1残留圏となる17位の湘南ベルマーレ(勝点29:7勝8分け13敗)とは勝点差1のみ。さらに16位の柏レイソル(勝点33:8勝9分け10敗)、前述した15位の京都と同じ勝点で並ぶ14位の川崎フロンターレ(勝点34:8勝10分け9敗))とも、数字上は2試合あれば追いつく勝点差となっている。

 また、直近5戦未勝利(3分け5敗)で監督交代を決断した浦和レッズ(勝点35:9勝8分け9敗)もどうなるか。柏と川崎の消化試合が1試合、浦和は2試合少ないことなども考えると、磐田と湘南の残留争いとなる可能性が高いと言えるが、7位のアビスパ福岡と18位の磐田との勝点差も10しかなく、サッカー界の定説となっている「残り試合数=逆転可能な勝点」の方式に当てはめれば、まだまだ残留争いは先が読めない“混沌状態”であると言える。

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1ケタの順位で危ないチームも…