8月24日、自身が区切りと決めていたという30歳の誕生日を迎えたAぇ! groupの末澤誠也さん。デビューまでと30代への思いを語った。AERA 2024年9月2日号の記事より。
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【前編はこちら】末澤誠也「一目惚れはしないタイプ」 ミュージカル出演で心身ともに太く成長
ミュージカル「三銃士」でダルタニャン役を務める末澤誠也の歌うフレーズには、「たとえ打ちのめされても正義は必ず生きている」「諦めなければその日は来る」という歌もあるが、「来ると信じたいですけどね、そんな甘い世界ではないなと思います(笑)。諦めが肝心なときもありますから」と、少々意外な答えが返ってきた。入所から15年以上、苦労人と呼ばれながら、努力を続けてきた末澤。今年5月、ついにデビューという日が来たが、それも「運ですね」と言う。「いろんな運が、よかったと思います。運も実力ですから」
諦めんな、とは言わない
仕事がほとんどなかった20歳のころ、事務所をやめる意思をマネージャーに伝えたことがある。3月のデビュー発表でも「やめんでよかった」と口にしていたとおり、あのとき諦めなくてよかった、という気持ちは「ありますよ。ありますけど、でも、俺は後輩には、ずっと諦めんな、とは言わないかもしれないです。時に諦めることも大事なんで」。
一昨年、「30までにデビューできなかったら考える」と口にしていたのも、その考えに基づいてのことだろうか。
「そうです。じゃないと、だらだら続けちゃう気がしたので。でも別に、ここ数年デビューできていないからやめるとかじゃなくて、24のときにはもう決めてた。だからAぇを結成したときにはもう自分のリミットを30って決めてて、それまでにデビューできへんかったらやめるって、メンバーには伝えてました」
30歳という年齢は、「区切りじゃないですか、シンプルに。それだけの話です」。
しんどかったことがあっても、後悔したことがない
もちろん、諦めずに頑張ってきたことも紛れもない事実だ。そんなとき、どうやって乗り越えてきたのだろう。
「気合?(笑)。ま、でも、いままで、しんどかったことがあっても、のちのち後悔したことがない。なんか、そのしんどさもあってよかったな、って思うことが大半なんです。だから、そんときはしんどいけど、まあまあまあ、のちのち、って思ってます。でも、あんまりないですけどね、しんど、って思うこと」