とはいうものの、29歳でデビューするまでには、しんどい時期もあったのではなかろうか。

「いや、まあ……いろいろあったんですよね。でもたぶん、まわりのほうがしんどかったんじゃないですか。いつも、そういうイメージがある。俺はみんなが思ってるほどしんどくないっていうこと、わりとあるから。けっこう切り替え早いんでね。そのへんがドライなんですよ(笑)。あんまり引きずることがない。だから、ファンの子が心配してくれてたな、って感じですね。でも、俺は大丈夫、って思ってた。ほかのメンバーはわかんないですけど。Aぇは、ここぞってときに集まって、しっかりしゃべるけど、普段はみんなあんまり、そういうことを言い合ったりしないから」

 いまの事務所をやめたらもう芸能活動はしない、と口にもしていたから、30歳を迎える前にデビューできた意味は、ファンにとっても大きいだろう。

「別に芸能界に興味あるわけでもないんで。この事務所やからこそ続けてる、やる意味があるなと思うんで、ここじゃなかったら、俺はもう全然違う仕事をしようと思ってます。……やめないですけど(笑)」

30代も変わらず楽しくいたい

 区切りとしていた今年8月24日の誕生日を前に(取材時)、率直な思いを尋ねた。

「まあ、20代がやっぱりいちばんね、濃かったですね。30代も変わらずいけたらなって感じです。お芝居をより頑張りたい30代やなとは思いますけど」

今年もこのミュージカルのほか、ドラマ「彼女と彼氏の明るい未来」では主演を務め、年に2本、芝居の仕事をしたい、という以前からの目標は、着々と達成している。

「殺人鬼とかサイコパスとか、ダークな役に挑戦したいなとは、変わらず思っています。でも、どんな役でもやってみたいっていう気持ちのほうが強いですね」

 30代になるからこそやりたいことは「ない!(笑)」と言う。

「俺、あんまり変わりたい願望がないし、あんまり先のね、目標立てないタイプなので。

暮らしとモノ班 for promotion
台風、南海トラフ地震、…ライフライン復旧まで備える非常食の売れ筋ランキング
次のページ
メンバーが仲良くいることがいちばんですね