兵庫県議会百条委員会が県職員に実施したアンケート

「カニ目当てに、もう来ないでほしい」

〈知事が何回も来て、その都度、カニなどを持って帰ってもらっているが、それを目当てに来るので、もう来ないでほしいと言ってるとのこと〉
 という証言もあった。

 この「くれくれ攻勢」について、兵庫県北部の漁業関係者がこう話す。

「最初はせっかく来ていただいたからと思っていたが、カニなど高級品がほしくて来るという魂胆がわかってきた。知事に安もんのカニは渡せない、当然、こちらの負担になる。そのうち知事から『先日のカニはとてもおいしかった』『また食べたい』と『くれくれ』が始まる。もう、うんざりだ」

 視察ではお土産がないと知事が不機嫌になるという回答や、そのため同行者らがポケットマネーでお土産を買い求めていたという回答も複数あった。

〈視察時にお土産がもらえると、知事の機嫌がよくなるので、視察の担当者が、視察先にお土産を渡してくれるよう事前に依頼したり、自腹で会計しておいて、知事にはお土産という体を取っていると複数人から聞いた〉
〈職員が「これを無料でいただけないか」と言わなければならないのがつらいと聞いた。また、訪問先で贈答品を用意してもらわなければ機嫌が悪くなるので、事前に訪問先にお願いしなければならないとも〉

 知事与党、自民党のB県議がうなだれる。

「カニ、カキに40万円の革ジャンまでくれくれって人が、県政を前に進めると居座る。なんで斎藤知事を推したのかと恥ずかしい」

「会議室の温度が低いと怒り、反省文を出させた」

 パワハラを訴える回答は膨大で、124ページの中間報告のうち70ページ以上に及んだ。

〈視察した際、知事がエレベーターに乗ろうとすると目の前でエレベーターの扉が閉まり、乗り損ねたことに激怒して、エレベーター前にいた県職員に、施設の職員も見ている前で「お前はエレベーターのボタンも押せないのか」と大声で怒鳴りつけた〉
〈新産業課がドローンの協議に入った際、知事が「ドローンといえば、神戸のポートアイランドで実証実験した際、なんか嬉しそうにTVにしゃべっていた●●(職員名)がいたな」との発言があった。当該●●は、ドローンやスタートアップの件で知事に意見したため、知事から知事室に出禁にされたとの噂があり、実際に一年で異動となっている〉
〈知事が出席するイベントで記者がいないと激しく怒るため、職員が記者のサクラをすることもあると聞いた〉
〈姿見や木製ハンガー、着替える個室(鍵つき必須)がないと激怒することが知られている。イベント時には事前に秘書課が全て用意できているかチェックしている〉
〈会議室の温度が低いと怒り、担当課に反省文を提出させた〉

 回答を見ていると、県職員が気の毒になってくる。

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知事の政治資金パーティーの疑惑にも証言