こんなときは思い切ってベッドから出る。あくびが出たら戻って photo iStock.com/PonyWang
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「あ~、眠れない!」とベッドの中で悶々とすること、ありますよね。こんなふうに眠れないとき、そのままベッドの中に居続けるのと、一度ベッドを出るのと、どちらが「正解」でしょうか?

 シリーズ累計145万部の「超基本」シリーズ最新刊で、睡眠研究の第一人者・柳沢正史氏が監修した『今さら聞けない 睡眠の超基本』では、20分ほどたっても眠れなければ、一度ベッドから出ることを推奨しています。理由は、「眠れない、と悩む時間が長くなるほど、脳はベッドを『眠れない場所』と学習してしまう」からです。

 猛暑が続く今夏、「どうしても眠れないとき」に役立つノウハウを、本から引用して紹介したい。

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眠りたいのに眠れない「負のループ」には陥らないようにしたい

 眠れないときにそのまま布団に居続けると、脳はそこを「眠れない場所」と認識してしまう。また、「眠らなくては」というプレッシャーは緊張を引き起こし、交感神経が活性化して余計に眠れなくなる。

 睡眠にはリラックスが大事。身体が緊張していたり、不安を感じていたりする状態ではスムーズに寝つけない。まず、意識して深呼吸を行うことで、身体の力を抜き、眠りに導く「15秒呼吸法」を試してほしい。

 やり方は簡単。ゆっくり7~8秒かけて、鼻からめいっぱい息を吸う。そして、同様に7~8秒かけて息を吐く。この深い深呼吸を4セットほど繰り返す。腹式呼吸で全身がリラックスするし、自律神経が整って脈拍や血流も安定する。

 呼吸法を試しても20分以上眠れないなら、一度布団から出て、リラックスできる音楽を聴いたり、読書をしたりしてみるのがいい。テレビやSNSなど刺激的なものではなく、興味をそそらない内容のほうが眠気を誘う。そして、眠くなってきたところで、再び寝室へ戻るのがいい。

 寝付くのが遅くなったからといって、翌朝、起きる時間を遅らせると、生活リズムが乱れてしまう。眠くても通常の時間に起きれば、次の夜にはよい眠りが期待できる。

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眠るときは豆電球もつけないほうがいい