監修の柳沢正史氏も、家の内外には多くの植物を置いているという

 睡眠の質に関わる主な要因は、光、音、そして温度の三つ。これらの項目を意識しながら、寝室の環境も見直してみたい。

 普段から、夜になったら間接照明を使用して薄暗くしておく。眠るときには完全に真っ暗にすることが望ましく、できれば豆電球(常夜灯)も使用しないほうがいい。夜中にトイレに行くときなどに危ないと感じる場合は、寝室の出入り口近くに暗めの人感センサーライトを設置するなどの対策を。

 なるべく静かな場所であること、快適な温度と湿度を朝まで維持することも重要だ。そのほか、観葉植物を置くなども人によっては有効。観葉植物が視野に入っているだけでストレスが軽減されるという報告もある。

 不眠症の治療法の中で、最も効果的と言われているのが認知行動療法。このアプローチの核心は、寝床で過ごす時間を「制限」すること。初めはつらいかもしれないが、次第に「寝床に入ると眠れない」という心理的な条件づけが解かれ、よい睡眠が得られるようになる。

 日本には、不眠症の患者は1000万人ほどいるとされていて、風邪や糖尿病と同じくらい頻度が高い疾患だが、上記のような指導をする臨床心理士や公認心理師が圧倒的に不足している。そのため、治療は薬物療法に頼っているのが現状で、適切な治療を受けられない人も少なくない。

(構成 生活・文化編集部 上原千穂)

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