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【製作総指揮】ライアン・マーフィ【監督】ガス・ヴァン・サントほか【出演】ナオミ・ワッツ、ダイアン・レイン、クロエ・セヴィニー、キャリスタ・フロックハート、トム・ホランダー
それにしても、登場する言葉のなんと優雅なことか。
ジバンシィ、コンコルド、黒と白の舞踏会、メルセデス、ジャクリーン・ケネディ、プリンセス・マーガレットにミック・ジャガー……。どれも当時のキーワードだ。
「パーティーの楽しみはなに?」と彼女たちに訊かれたカポーティは彼女らに答える。「それは誰を招かないかだよ」。そう、セレブの本質は「いじわる」なことなのだ。
また、カポーティ(トム・ホランダー)はスワンの中で最も親密だったテレビ局CBS会長夫人ベイブ・ペイリー(ナオミ・ワッツ)にこう囁き、喜ばせる。「君の唯一の欠点は“完璧”なことだ」
そして1975年、「エスクァイア」にカポーティの新作が掲載される。タイトルは「ラ・コート・バスク」。そこには決して明かしてはならないセレブの秘密が暴かれていた。
スワンの逆鱗に触れ、社交界から放逐されたカポーティとスワンたちのその後の行く末は、本物のセレブリティの終焉を示していた。
今年はトルーマン・カポーティ生誕100周年、没後40年。そのメモリアルな年にナオミ・ワッツ、ダイアン・レイン、クロエ・セヴィニー、キャリスタ・フロックハート、デミ・ムーア、モリー・リングウォルド、ジェシカ・ラングら名だたる女優が集結した。
(文・延江 浩)
※AERAオンライン限定記事